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渋谷区のごみは地産地焼か? 渋谷駅から徒歩10分の最先端ゴミ処理場はすごかった!

ごみの地産地焼

その土地で発生したごみが、その地で焼却され灰になる。
という意味合いの勝手な渋谷新聞の造語です。

 

東京のごみは、東京で処分されているのだろうか?
他県に処分をお願いしていたりするのだろうか?
渋谷区は?

 

日本を代表する繁華街を複数有する渋谷区のごみは相当多いはず。
果たして、渋谷区で発生したごみはどこに行き、どこで焼却・処分されているのか?

 

身の回りの人に

「渋谷区のごみってどこで処分されていると思う?」
と何人かに聞いてみたところ、

 

「どこか都内山奥の焼却場で処分されている気がする」
「都内で全部は処分できないから、一部他県に処分してもらってるのでは」

 

などという予想が多かったです。

 

そこで、今回渋谷区のごみがどこで処分されているのか、どのくらい地産地焼できているのか、
について調べてみました。

 

すると、割と知られていないのですが、

渋谷にはごみ処理施設があります
※渋谷ヒカリエから撮影。真ん中に見える煙突が渋谷清掃工場です。

 

なんと、渋谷駅徒歩10分以内にごみ処理施設が。
(JR渋谷駅新南口からは徒歩5分)
しかも、毎月工場見学の日を設けているオープンな施設。

 

早速、電話で予約し渋谷清掃工場の見学へ。

 

先回、NPO「グリーンバード」の体験取材にご協力いただいた舞夢プロさんに今回も取材ご協力いただきました。


女優志望の現役大学生今井春花さん。

 


清掃工場見学にさあ行こう!
剣道2段とは意外ですね。

 


渋谷の再開発地区の先に煙突が。

 


ひときわ緑の多い建物、なんとここが清掃工場!

 


到着しました。簡素な見学者用入口。

 


意外に見学者が多くて驚きました。

まずは、4階の見学者説明室にてビデオによる東京23区のごみ清掃工場の現状について学びます。

 


子供たちは真剣にビデオを観ていましたし、

 


大人はしっかりとメモを取る方々も多かったです。

 


まじめに聞いていれば答えられる復習形式のクイズがあったのですが、

 


まじめな雰囲気でいきなり笑いをとろうとしてきました

 

 

静かな会場で、渋谷新聞のみが声を出して笑ってしまいました。
これから見学に行く予定のある方は、

「0点は学業に燃えてないってことだろ!」

と突っ込んであげてください。

 

さて、映像に対しての質問タイムが一通り終わると、いよいよ施設見学へ。


こちらプラットホームと呼ばれる場所。収集車がごみを集めてごみバンカ(ごみをためておく場所)に投入する入口。

 

一日当たり約200台の収集車がここに集まるようです。
※可燃ごみのみ

 

そして、このプラットホームの出入口には常にエアカーテンという”風を上から下に出し続けることで、施設外にごみの臭いを出さない仕掛け”がなされています。
冬場はこの風が寒く出入り口に立ち止まっていられないとのこと。

 

少し話が脱線しますが、工場見学の面白さの一つとして、工場らしい造形美があると思います。
例えば、このプラットホームは

地下の要塞都市から巨大ヒト型兵器が地上に送り込まれるゲート

のような造形美を備えています。


扉の数字がそれぞれ”壱””弐””参”であればよりグッときます。

 

きっかけはどうあれ、こうした施設の造りや、燃焼炉のスペックなどに興味を持ち工場を訪れ、結果ごみ問題についてそれぞれが意識できるのだとしたら、それはそれで大切なきっかけなのだと思います。

 

ですので敢えて言います。
SF作品が好きなあなた、渋谷清掃工場見学へどうぞ。

 

話を戻します。


設備から設備へ移動する廊下には、様々な展示物があります。

 

例えば、これ何かわかりますか?

 

 

答え:燃えることなく残ったハンガー

 

”hanger anger”

”ハンガーの苦悶”
※タイトルイメージです。

 

針金のハンガーはかなりやっかいらしく、絡まって焼却炉にダメージを与える原因になるようです。

針金ハンガーは可燃ごみとして出してはいけません(クリーニング店で引き取ってくれる場合もありますよ)。


こちらは、蒸気タービン発電機

 

なんと、ごみ焼却過程で作られた電気により、渋谷清掃工場施設内の電力を全てまかなっているんです

 


今日の数値はすごいですよ、こんな高い発電量初めてかもしれない

と説明をしてくださったスタッフの方。

 

こんなパンダの光景は滅多にみられないですよ!と動物園で言われた時のように嬉しい。


こちらが工場のエース、中央制御室です!

 

渋谷新聞
あの、さっきから説明が面白すぎます。なんでここがエースなんですか?

スタッフの方
ここは清掃工場の頭脳、24時間態勢で焼却炉や主要設備の運転監視、制御をコンピューターと人間の目によって行っている場所なんです。あらゆる知識と経験が求められる、エースにしかできない仕事なんですよ。


エースを見つめる子供たちの熱い眼差し。

 

 

そして、渋谷清掃工場見学会のメインディッシュ。

ごみバンカ・ごみクレーンへ。


子供も大人も必ず食いつきます

 


ウイーーーーン
※実際に音は聞こえません。

 


ゴゴゴゴゴゴゴ

 


ピコーン、ピコーン
※音は想像です。

 


キュイーーン、ガガガガガ

 

 

渋谷新聞
このクレーンを操っている方、もしかしてゲームセンターのクレーンゲームがお得意なのでは?

スタッフの方
ええ、そう思ったことがあってスタッフでクレーンゲームをやったことがあるんです。

渋谷新聞
え(笑)本当ですか。どうでした?

スタッフの方
全然取れませんでした(笑)。

 

こんな感じで、案内のスタッフの方がとても気さくで楽しい見学会であったことは意外でした。


参加者の方々は様々で、夏休みの自由研究のために親子で参加されていたり、

 


はるばるブラジルから研究視察に来られていた姉妹も。

 

写真右のお姉さんは、ブラジルで環境問題を取り扱う民間企業で働いており、環境技術者(Environmental Engineer)として活躍されているそう。

 

お姉さんは、今回の見学がとても衝撃的だったと語ってくれました。

こんな大都会のしかも住宅地も周辺にある中に、ごみを処理できる清掃工場があることにただただ感動です。

ブラジル、特にサンパウロではごみは基本的に「埋立地」に捨てており、最近では埋立地が管理不足の為、ごみから発生したガスで爆発するなど、社会問題になっているとのこと。

 

さらに、渋谷という街を歩いてみて、ごみがほとんど落ちていないことに感動していました。

 

 


見学会は、参加者それぞれに発見や学びを与えて終了。
渋谷新聞は、見学会終了後、担当の能口(のぐち)さんに気になるお話をお聞きすることに。


今井さん
まず、今日まで渋谷の中心地に清掃工場があることを知らず驚いています。
ですが、さすがにここだけで渋谷区から発生したごみが全て処理されているとは思えないです。
だいたいどの程度の割合で処理できているのですか?

 

 

能口さん
ほぼ100%です。
※可燃ごみ

 

 

今井さん
え!渋谷区で産まれたごみは、渋谷区で全て焼却できているってことですか?


能口さん
はい、その通りです。東京23区には現在21(建替えに伴う稼働停止中の工場も含め)の清掃工場があり、渋谷清掃工場では渋谷区と一部新宿区のごみも焼却しています。
最初にご覧になられたプラットホームには、ほぼ毎日約200台の収集車が約200トンのごみを運んできます。

※重さ200トンは、オスのアフリカゾウ約33頭分(東京二十三区清掃一部事務組合調べ)

 

今井さん
最初の映像で、ごみの体積は焼却後約20分の1になると説明されてましたから、収集車200台分のごみを、10台分の灰にするところまでをこの工場で行っているんですね。

 

能口さん
そうなりますね。そういう意味では、渋谷区で産まれたごみは、渋谷区で焼却され灰になり、東京都が設置・管理する処分場(中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場)に埋め立てられています。


能口さん
さらに、この工場で発電した電力は、近くの植物センターの電力として活用されたり、他の工場では焼却灰をスラグと呼ばれる土木資材にリサイクルするなど、新しく資源を生み出すことも行っています。

 

 

 

なんと、渋谷区のごみは、
地産→地焼→地産
でした。

 

 

 

渋谷新聞
さて、全て終わってみていかがでしたか?

今井さん
驚くことが多く、見学会に参加して本当に良かったと感じています。
渋谷駅から徒歩圏内に清掃工場があって、しかも見学会が行われていること自体、普段知りえないことなので、周りの友達に伝えていきたいと思いました。

渋谷新聞
工場や見学会の存在を知っても、若い女性は興味がないのでは?

今井さん
いえ、たぶん興味を持つ友達は結構いると思います。
ごみ問題って言うと確かに難しいけれど、渋谷に清掃工場があって、工場見学できるらしいよって感じなら、ちょっと面白そうってなります。

渋谷新聞
そんな感覚で見学に来て、少しでも意識や行動が変わるといいですよね。

今井さん
はい。最後に能口さんがおっしゃっていましたように、焼却炉の停止や故障の原因になる針金のハンガーや缶詰を燃えるごみとして出さないように自分でも徹底し、周りにも伝えることができるだけで、ここの工場の稼働率は上がりますし、修理にかかる税金が無駄にならずに済むんですよね。
一人一人の意識がとても大切だと改めて感じました。

 

 

 

 

渋谷区のごみはどこで焼却されているのか?

そんな疑問は渋谷駅徒歩10分の場所でクリアになりました。

 

ブラジルから視察に来ていた姉妹が言っていましたが、技術と地域の理解、さらにはごみに対する人々の意識が高くなければ、キレイな街は保てない。

 

以前の渋谷新聞の記事でも書きましたが、ごみ問題は人々の意識とちょっとした行動で解決が望める社会問題なのだと改めて感じました。

 

 

工場が好き、社会見学がしたい、1時間半渋谷でヒマだ(予約は必要です)、スタッフの方が面白そうだ、きっかけは何であれ、必ず何かを得られ、意識が変わる見学会だと思いました。

是非渋谷清掃工場の見学会に行ってみてください。
そして最後にくどいようですが
針金のハンガーと0点のテストは燃やせませんよ!

 

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取材協力
舞夢プロ facebook  http://www.maimupro.co.jp/
今井春花 facebook

渋谷清掃工場
所在地:渋谷区東1-35-1
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/kojo/shibuya/

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