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ついに見つけた!渋谷で食べられる旨い”しぞーかおでん”/酒とさか菜

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やっと出会えた。

渋谷新聞創設時より、ずっと追い求めてきたもの。
それは

”渋谷で食べられるしぞーかおでん”

文字で正しく書くと”静岡おでん”。

静岡市のおでんは濃口醤油を使い鶏ガラ(および牛すじ)でだしを取った長年継ぎ足しの黒いつゆを使用する。静岡おでんの人気種であるはんぺんは焼津を中心に静岡県内各地で作られている黒はんぺん、すべての種に竹串を刺し、「だし粉」と呼ばれるイワシの削り節や鰹節、青海苔をかけて食べる。 (Wikipediaより引用)

静岡県出身の編集長的に補足すると、静岡おでんの特徴は大きく3つ。
「黒い」「牛すじ」「駄菓子屋」。

例えば、静岡県民に(特に中部地方)

「駄菓子屋にある、牛すじの出汁が効いた真っ黒い食べ物はなーんだ?」

と聞けば、ほぼ正答率100%で「おでん」となる。
ひとによっては「はんぺん」となるかもしれないですが。

ちなみに筆者自身、世の中の「はんぺん」が白いという事実を知ったのは20才を過ぎてから。
静岡のはんぺんは、世の中的に「黒はんぺん」と言われていることもその頃知りました。

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今回ご紹介するのは、そんな静岡おでんが食べられる、しかも!

正直、全国津々浦々の静岡おでん屋さん(駄菓子屋含む)の中でもトップクラスに旨いお店、

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”酒とさか菜” 駅徒歩10分程度の裏渋谷に立地するお店。

檜の看板の脇に吊るされた茶色い玉は、”杉玉”。

通称、酒林(さかばやし)とも呼ばれ、日本酒の造り酒屋の軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる役割を果たすそう。

吊るされたばかりの杉玉はまだ蒼々としているが、やがて枯れて茶色がかってくる。この色の変化がまた人々に、新酒の熟成の具合を物語るらしい。

真っ黒な静岡おでんと、熟成された日本酒を楽しもう、とお店に入る。

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まず目に飛び込んで来るのが、明るい店内で存在感を放つ”檜のカウンター”。

反対側には、団体で楽しめるテーブル席。

このカウンターで、一人おでんと日本酒を楽しむもありだし、2人で語らうもよし。

早速、目的の静岡おでんを探す、

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カウンター右端から2つ目の席真正面に。

1本150円で、好きなものを3本~頼むことができる。

静岡おでんの楽しみは、まずこのおでんの容器を覗き込むところから始まる。

どんなおでん種が入っているのか?というよりは、どんな色か?これが楽しい。

さあ、お顔拝見!

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真っ黒くていいお顔

渋谷には黒さを表すコトバとしてガングロという表現があるのだが、その比ではない。

黒く澄んだおでんの出汁は、経年の品格とも言うべきたたずまいを感じさせる。

聞けば、約30年間に渡り継ぎ足されてきたという。

というのも、お店のご主人が静岡県出身だから。

この継ぎ足しの歴史からしか創出できない”黒さ”が、そのお店ごとに異なる旨さの源なのだ。

黒ければ黒い方がいい。個人的にはそう思う。

さてその中身は、

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おでんと言えば、の定番”だいこん”。
出汁を惜しみなく吸い込み、旨みとまろやかさがギュッと詰まっている。

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そして静岡おでんの特徴の一つである、”黒はんぺん”。
文字通り、元々黒い(というかグレー色)ものが、さらに白黒はっきりさせた黒色に。

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こちら静岡おでん不動のエース”牛すじ”。
幼い子供にとっても牛肉の価値が他の肉と違うことは自明の理。
駄菓子屋で決まって最初に争奪戦になるのが牛すじであり、「俺はんぺんがいい」なんてちょっと大人ぶり、後悔した記憶が懐かしい。

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そんな牛すじに唯一対抗できるのが”たまご”である。
しかし、この店のたまごの黒さには驚く。
味がじっくり染み込み口の中が幸福感に溢れる。

こうなると、静岡おでんの伴侶となるお酒が欲しくなる。
できれば同じく静岡生まれのお酒と添い遂げさせてあげたい。

こちらの”酒とさか菜”には数多くの日本酒が揃えられており、”唎酒師”の資格をもつお店のママに相談すれば、好みに合わせた美味しいお酒をおすすめしてくれる。

そのママにセレクトしてもらったお酒がこちら、
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「若竹 おんな泣かせ」 / 静岡県島田市・大村屋酒造場

お酒をあまり飲めない女性をも、おいしくて泣かせるほど心地良く酔わせる。
ということから名付けられたそうです。
柔らかい口当たりと、すっきりさ、その後のまろやかな旨み。

ここで、ママから一言
「ラベルの年代を見てちょうだい」
「はい、えっと2014年と書いてありますね、一昨年のお酒ですか」
「あえて1年間熟成させてからお出ししているの、そうすると深みが出ておでんにも合うでしょ」

なんと、齢30年を超える出汁で作られた静岡おでんのお相手には、静岡出身というだけでなく、酒瓶の中で熟成を経てより美味しさを引き立てるそんなお酒を選んでくれたのだ。

そんなお店のママは元NHKのアナウンサー。
このママとの会話が面白い。

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自然な会話を通して、食事とお酒に”ストーリー”というここでしか味わえない味覚を与えてくれる。

そして、日本酒への情熱もすごい。
自分が飲みたいお酒は、
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自ら仕込む

約9年前からお酒好きのお客さんや仲間と作り始めているとのこと。
そのお酒がこちら、

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「明酒」

ラベルには、仕込みに参加した人たちの名前が記されている。
お店のホームページでは、この”明酒”を一緒に作りたいと希望する仲間も募集しています。

このお酒の名前の由来や、作ることになったきっかけについては、是非お店に運んで直接ママから聞いてもらいたい。
とってもいいお話ですので。

明酒だけでなく、その他に
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「七冠馬 吟醸うすにごり/ 酒とさか菜SP」 /簸上清酒合名会社

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これ、絶品です。

こらのお店は、美味しい日本酒を求めていらっしゃるお客様が多いそうで、最近では海外の方々からの人気も高いとのこと。

さらにはお客様だけではなく、蔵元の方々もよくいらっしゃるようで、お手洗いには
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こんな面白いイベント告知も。

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渋谷でたべられるしぞーかおでんを追い求めて辿り着いた”酒とさか菜”。

静岡おでん以外にも美味しいお料理が数多くあり、たとえば
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その日により変わるおばんざい。

食べてみて感じたことは、これら全ての料理が全て日本酒に向いている。

ママの愛するお酒に向かって、ご主人が料理を作っているような。

だから、合う。

それと、
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ところどころに感じる、

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静岡への愛

この記事をご覧になっている、静岡出身の方々、日本酒好きの方々、ストーリーに酔いしれたい方々へ。

そして、美味しい静岡おでんを探しこの記事にたどり着いた貴方へ。

是非、一度渋谷の”酒とさか菜”を訪れてみてください。

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<取材協力>
「酒とさか菜」
〒150-0045 東京都渋谷区神泉町12-4 アーガス神泉ビル1F
03-3496-1070
営業時間:17:30~0:00
休日:日曜 祝日(原則として)
http://www.saketosakana.net/

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