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世界遺産にしたいくらい素敵な場所。渋谷のんべい横丁「水車」。

渋谷の世界遺産(願望)

 

もし渋谷に世界遺産があるとしたら間違いなくここ、『のんべい横丁』 。

 

65年もの間、渋谷で暮らし訪れる人々の胃袋と心を満たしてきた渋谷のレガシー。

 

最近では、訪日外国人のお客さんも多いそうで、ユネスコの偉い人たちが偶然立ち寄り一杯ひっかけて気持ちよくなって「このストリート世界遺産にしちゃおっか」といった展開が起こるかもしれないほど、楽しく飲めるのんべい横丁。

 

一方で、常連さんが支えてきた飲み屋街であり、なかなか新規で入りにくいというイメージが強いのも事実。

そんな、「のんべい横丁に行ってみたいけど、ちょっとハードルを感じる」人たちの代表として取材にいきます!


どこ入るか、迷いも楽しい

 

ぐるぐる迷って5周した中で選んだ店がここ、

「水車」

選んだ理由は、ちょうどお客さんが出て行って誰もいなかったから(笑)

 

渋谷新聞「こんはんは」

 

おかみさん「どうぞ。」

とても品のあるおかみさん

 

勝手なイメージで「あーいらっしゃい、お兄さんどこでも勝手に座って、あーそこの焼酎とって」みたいなおばちゃんノリを想像していたので、良い裏切り。

 

落ち着いた振る舞いと、ゆっくりと柔らかく話す仕草で迎えられ、一気に心地よい雰囲気に包まれます。

 

おかみさん「煮物あるけど食べる?」

 

渋谷新聞「はい、あ、イカ入ってます?ちょっとイカの煮物が苦手なもので」

 

おかみさん「野菜の煮物だから大丈夫よ。でも、イカが苦手な人なんているのね、はじめて聞いたわ。そういえば、私も若い頃イカが大嫌いだったことがあるのよ。」

 

そこから、おかみさんの若い頃、太平洋戦争で疎開していた先でのエピソードがはじまる。

食べ物が少ない中、噛み切れない程固いイカがよく食卓に並んで嫌だった話から、東京大空襲、戦後渋谷にやってきた話、のんべい横丁の生立ちにマッカーサーが関わっていたこと、時間の流れも忘れて聞き入る面白い話し。

ちなみにマッカーサー元帥はいい人だったらしいです。

 

野菜の煮物とおかみさんのエピソードをつまみに飲んでいたところ、

おかみさん「ケンサキイカのスルメは食べたことある?おいしいわよ」

 

渋谷新聞「イカの煮物は苦手ですが、スルメは大好きです!」

 

ということで、お客様支持率100%だと言うケンサキイカのスルメを注文する事に。


パチパチパチパチ、いい匂い

 

香ばしい香りに包まれる中、おかみさんのお話は、いよいよ恋の話に。

戦後から現代に至るまでの、恋の思い出を解きほぐすように、ケンサキイカのスルメを薄く薄くほぐしてくれるおかみさん。

戦後すぐに池袋復興マーケットで働いていた頃は、池袋西口ナンバー1の看板娘だったそう。

そんな池袋ウエストゲートガール時代の男女の恋愛観は、是非若い方達に聞いていただきたい。


醤油が香る逸品!支持率101%!

 

スルメってこんなに柔らかくて美味しいんですね。

スルメを食べるとなると、、、お酒が欲しい、、、


器がかわいい、ひれ酒!

 

おかみさん「すぐに飲まないでちょうだいね」

ひれ酒の完成を待っていると、

 

若い女性客「空いてますか?」

 

おかみさん「どうぞ」

 

聞き耳をたてなくても話し声が耳に入ってくるのがのんべい横丁の距離感。

どうやら、はじめてののんべい横丁のようだ。

 

若い女性客「何かの取材ですか?」

 

渋谷新聞「はい、もし良かったら取材に協力してもらえますか?」

 

若い女性客「はい、いいですよ!」

 

ということで写真掲載も快諾していただきました。


大学時代の親友、今は渋谷で働いています

 

 

若い女性客「おかみさん、おいくつなんですか?」

 

おかみさん「そうねえ、もうすぐ50になるかしら」

 

渋谷新聞&女性客「!!!!」

なるほど、今年が水車49年目。鉄板の年齢ネタのよう。

 

お酒も進み、おかみさんと女性客とで恋愛の話に。

 

おかみさん「私、手相を勉強していたのよ」

 

女性客「え!そうなんですか!おかみさん手相見て見て!」


晩年気をつけた方がいいわね

 

 

女性客「私も」

 

 

あなたも晩年気をつけた方がいいわね

 

一同「(爆笑)」

 

おかみさん曰く、手相は変化するものらしく、体調管理をしっかりしていけば良い晩年になるとのこと。

 

のんべい横丁のガールズトークは、ただただ面白い。

 

渋谷新聞「おかみさん、最近こうした若い女性客が増えてるんですか?」

 

おかみさん「ええ、多いわよ。あと最近だとお客様の3分の1が外国人なのよ」

 

渋谷新聞「英語とか、言葉の問題は大変じゃないですか?」

 

おかみさん「大丈夫よ、私若い頃に英会話学校に通っていたから。あと、パソコン教室にも通っているからブログも書いているし、エクセルも得意なのよ」

 

ブログ!エクセル!

 

のんべい横丁のおかみさんから、意外な特技を聞いて驚きました。

 

こちらがおかみさんのブログ。

 

おかみさんと、偶然席をご一緒させてもらった方々と、時間を忘れるような空間で過ごすひとときはとても楽しいものでした。

 

国籍も年齢も飛び越えて、人と人が交流できる”のんべい横丁”は、日本伝統の社交場として世界遺産にふさわしいと改めて感じました。

そしてケンサキイカのスルメをおかわり。すっかりおかみさんのファンになりました。

 

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水車
東京都渋谷区渋谷1-25-10 のんべい横丁
03-3407-3694
18:00~翌朝3時頃まで
無休

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