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神様が喜んでくれるランチスポット 渋谷金王八幡宮

地域の人からは”金王(こんのう)さん”として親しまれている神社、渋谷金王八幡宮(しぶやこんのうはちまんぐう)。

出世や金運、子宝にご利益のある渋谷のパワースポットとして知られている。

そんな金王さん、周辺のオフィスワーカーや住人から人気のランチスポットになっていることをご存知だろうか。

境内でランチタイムに賑わう場所は、神様が祀られている御社殿(ごしゃでん)と神楽殿(かぐらでん)の目の前。

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取材に訪れた12時前の時点で、すでに満席手前。

手作りのお弁当を広げ食べていた爽やかなサラリーマン男性に話を聞いてみた。

渋谷新聞
「お食事中に失礼します。よく金王さんでランチを食べられているのですか?」

サラリーマン男性
「天気がいい日はだいたいここでお弁当を食べています。

近所で働いていますが、緑がたくさんあって静かなところが気に入っています。

会社のデスクで食べるより気持ちいいですから。」

この方、金王さんランチ通い暦2年の常連さんだった。

実際に、ベンチに座って空を見上げてみると

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周囲をビルに囲まれているが、朱色が眩しい御社殿の上にはすっきりと広がる青い空。

樹木の緑が目に優しくリラックスできる、渋谷駅から徒歩5分であることを感じさせない都会のオアシスだ。

境内に設置されているベンチは合計10台。

2人で座り、お弁当を広げることができる十分な広さのベンチ。

金王八幡宮の神職である田所克敏さんに、「なぜ多くの方が金王さんにランチを食べに来ているのか。」について伺った。

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田所さん
「おそらく、周辺に公園のようなゆっくりできる場所がないからだと思います。

昔から、お弁当を持って来る人は多かったです。

ただ、境内できちんと座って食事のできる場所がなかったため、中には賽銭箱前の階段に陣取りお弁当を広げる人もいました。」

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渋谷新聞
「賽銭箱の前ですか。さすがにそこは迷惑ですよね。」

田所さん
「そうですね。参拝に来られた方に迷惑ですし、神様に失礼です。

しかし”ここに座るべからず”と禁止してしまうと、ランチを食べられる場所がなくなり、みなさん困ってしまう。

それならば”ここは座っていい”という場所をつくろう、そうすれば皆さんが気持ちよく過ごせるのでは、と考え5年前にベンチを設置しました。」

渋谷新聞
「参拝に来られた方にもゆっくり座れる場所があることはありがたいですね。

ちなみに、ランチを食べるという目的だけで神社に来ることって、アリなんでしょうか?

神社って神聖な場所なので。。。」

田所さん
「もちろん大丈夫です。なぜなら、

神様は、人が神社にたくさんいるとお喜びになるんです。

ランチにやって来た人たちには、”お参りもしていってくださいね”と、時々声をかけてもいますよ。」

実際に、ランチの前後にお参りをしていく若いOLの方が何人かいた。

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ここで、田所さんから教わった、神社にまつわる豆知識。

神社は大きく2つに分けると、氏神(うじがみ)神社と、崇敬(すうけい)神社の2つに分けることができるそうだ(伊勢神宮を除く)。

氏神神社は地縁や祖先を神様として祀る神社で地域住民の安寧を願う存在。

一方、崇敬神社は明治神宮など特別な信仰によりあがめられる神社。

金王さんは、近隣(渋谷から青山エリア)の地域住民を見守る神様が祀られている氏神神社だ。

また、氏神神社の周囲に住んでいる人たちは氏子(うじこ)と呼ばれている。

氏神とは氏子の安寧を守る神であり、氏子はいつも見守ってくれている氏神に感謝をする意味で神社の活動や祭事に参加するのだという。

金王さんの祭事で最大規模のものが、毎年9月に行われる渋谷金王八幡宮例大祭。

氏子たちによって構成される14の町会(ちょうかい)が、神輿を担いで渋谷の街を練り歩く。

九百年も続いてきた渋谷の伝統行事だ。

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金王さんを祀る祭礼を行うため、全ての神輿と町会が109前に集まる様子は圧巻。

こうした祭りが渋谷で今も数百年も続いていることは、氏神・氏子の固い絆の象徴だろう。

では、氏子(渋谷に住んでいる人)でないと金王さんに見守ってもらえないのか?

田所さんに聞いたところ、「答えはノー」だそうだ。

田所さん
「例えば最近では、渋谷にある会社や働きに来ている人から”例大祭に関わりたい”という問い合わせをいただくことが増えています。

会社は法人と称してとして扱われるので、氏子と解釈できます。

ということは、その法人の構成員である従業員の方も氏子と言っていいと考えています。

もちろん、渋谷に住んでいたり働いていない方でも大丈夫。

渋谷が好き、金王さんが好きなど、理由は問わず興味を持ってもらったら足を運んでください。

氏神様はその土地に関わる人を、信仰の有無に関わらず広い心で見守ってくれていますよ。」

実際、金王さんで年間行われるほとんどの行事は氏子であるなしに関わらず誰もが参加することができる。

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屋外ランチスポットだけに限らず、渋谷で生活し遊ぶ人々にとって自然を眺め一息つける空間の需要は案外高いと感じる。

もともと渋谷駅周辺には、こうしたスポットが少ない。

さらに2017年、宮下公園が整備のため一次的に利用できなくなる。
(2019年度内にリニューアルオープン予定)

そんな渋谷において、金王さんのような落ち着ける場所は大変希少である。

何しろ、ただ自然に恵まれた公園とはわけが違い、ここは「我々がそこに行くことで神様が喜んでくださる場所」なのだ。

金王さんの神様がどんなお方なのかは分からないが、喜んでくれるならヒマを見つけて行ってみようと思えてくる。

そもそも「困った時の神頼み」という言葉があるように、神社に行くときには願い事がセットなことが多いと思う。

初詣や観光にしてもそうだ。

しかしどうだろう。

神様はこちらが願おうが願うまいが常に見守って下さっているように思う。

氏子でなくても、その土地に関わっている人を見守ってくれている。

そんな話を神主さんから聞いて神社という場所が、ぐっと身近で温かいところだと感じられた。

是非一度、神様が喜んでくれるランチスポット・渋谷金王八幡宮に足を運んでみてはいかがだろうか。

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<取材協力>
金王八幡宮社務所
東京都渋谷区渋谷3丁目5番12号
TEL:03-3407-1811
FAX:03-3409-1043

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