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実録!渋谷ハロウィンのゴミランキング。仕分けで見えた”ゴミの正体”

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渋谷ハロウィンといえばゴミ問題

渋谷ハロウィンを語るとき、必ずセットで話題に上るのが”ゴミ問題”。

ハロウィンの意義や、マナー、参加者のモラルなど様々な切り口で語られてきた。

「なぜ捨てるのか?」

「なぜ自分で持ち帰られない?」

そうした疑問に対する一つの理由が

「捨てる場所がないから」

そこで、
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東京都はかぼちゃ色のゴミ袋を配り、

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渋谷区はゴミ集めステーションやボランティアへの協力を行うなど対策を講じてきた。

つまり、

「自分たちで拾おうぜ!」

という啓蒙も含めた活動によるゴミ問題の解決だ。

こうした活動は昨年から活発化し、そのおかげかだいぶ参加者の意識にも変化が見られてきたような気がする。

一方で、

「ゴミの絶対量を減らせないか」

についてはあまり語られていないように感じる。

そもそもどんなゴミが捨てられているのか、それが分かればゴミはどこからやってくるのか見当がつく。

ゴミの中身を知ることで、「捨てられたものを拾う」だけでなく

もっと上流の「ゴミを増やさない工夫」も考えられるのではなかろうか?

といことで、

渋谷新聞ではハロウィン当日(10月30日0時付近)に街に捨てられていたゴミを分別調査することに。

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場所は渋谷ハロウィンの中心地”センター街”

そしてゴミ拾い集めの調査に協力してくれたのは、『ルビッチ隊』のこの5人。
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左から萱原さん、坂井さん、猪爪さん、上岡さん、高田さん。

ルビッチとは、キンコン西野亮廣氏の絵本

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『えんとつ町のプペル』

の登場人物。

この絵本のモデルの街は渋谷で、物語の季節はハロウィン、そして主人公プペルはゴミ人間。
ルビッチはゴミ人間プペルと出会い仲良くなり、一緒に「星」を探すことになる少年の名前。

昨年の西野氏インタビューにあるように、

キングコング西野氏に独占インタビュー!1年前にTwitterでつぶやいた渋谷ハロウィン企画が実現!

「エンタテイメントがあるから人が集まる、人が集まるから街が汚れる、街はみんなのものだ、街を汚す根源のエンタメは無くすべき」

こうした批判的かつ短絡的な考え方からは文化が生まれない、

ゴミ問題解決すらエンタメに変えてやるという彼の発想は今年も多くの共感を得た。

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10月30日の朝6時に渋谷に集合し、

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西野氏本人とルビッチに扮した数百名の仲間で、今年も渋谷の街のゴミ集めを楽しくやろう!

という企画。

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渋谷のパーティーロッカーこと”あっくん”や

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楽しい!とはしゃぎながら参加する子供達など、

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日本各地から渋谷に「楽しむために」多くの人々が集まった。

そんな参加者の中先ほどの5名が、

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前日の夜中から調査を手伝ってくれた。

開始後約10分、

センター街入り口から約50メートルで、

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用意していたゴミ袋が満杯に。

深夜公園の片隅で、分別した結果が
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こちら。

たった50メートル(しかも通りの片側のみ)でこの量は予想を超えた。

分別の結果、大きく7カテゴリーのゴミに仕分けができた。

ゴミの体積や数と独断から、

渋谷ハロウィンゴミランキング

を発表。

第1位

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その中でも圧倒的に多かったのが、缶チューハイ。
次いでビール、コーヒーといった順序。

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缶
飲みかけのものや未開封のものも多く、

通りは缶からこぼれた飲料によってベトベト&独特のにおいを放っていた。

趣旨からは外れるが、”氷結ストロング”の人気ぶりには驚き。

缶チューハイといえば、お酒がそんなに強くない人でも飲みやすいイメージがあるので、女性や若い世代が多いハロウィンだからビールよりチューハイなのかなと思っていたが、

空き缶の銘柄をみるとアルコール強めの氷結ストロングがやたら多い。

飲む人々の酔いたい気持ちが伝わって来る気がする。

第2位

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ビン

その中でも圧倒的に多かったのがスミノフシリーズ。
次いでコロナビールなどのビンビール。

瓶
缶に比べ絶対本数は少ないものの、通りにコロコロ転がり危なっかしい存在。

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場所によってはワインのボトルも多く、このように割れて放置されたままで危険。

ビンも缶同様に、中身の甘く腐ったようなにおいを周囲の地面や壁に撒き散らしていた。

第3位

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包装袋

コンビニ、百貨店、商店街のお店などで配られるビニール袋やお菓子の袋。

コンビニでお酒や食べ物を買い、路上で食べて捨てる。

といったところだろうか。

袋

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東京都が配布しているゴミ袋も捨てられており、中には少しゴミを集めたものの、そのまま放置といったものも見受けられた。

このゴミ袋、ゴミがたまるとジャック・オ・ランタンになって可愛いのだが、致命的な欠点が。
不透明度合いが強すぎて、中に何が入っているか分からないのだ。

結局ゴミ集積所の前で全て開封し、分別確認をしないといけない。
来年はデザインのかわいさ重視だけでなく、本質的な実用性を検討してもらいたい。

これは余談だが、割れたビンを拾う際に別のビニール袋が欲しくて、その辺に落ちている袋が役に立つというヘンテコリンな状況もあった。

第4位

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タバコ

総体積としては小さいものの、その数や分布範囲には圧倒される。

アイコスをはじめとした加熱式タバコの登場により、喫煙者の意識にも少しは変化が見られてきたのかも知れないが、捨てられているタバコの中身がアイコスに変わってきているという傾向が今年の特徴だろう。

タバコ
喫煙者同士は引き合うのだろうか、わりと集中して吸殻が溜まるゾーンが存在する。

それと、なかなか目立たない場所に捨てられるのがタバコの特徴であり、

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センター街の排水溝は、もはや灰皿扱いだ。

第5位

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テイクアウト商品

ハンバーガーやドーナツ、ケバブなどの食べ物包装や、コーヒショップやコンビニコーヒーのプラカップなど。

多くの店が混雑しているという理由もあるにはあるが、
(我々が店を覗いた限り、センター街沿いがどこも満席という状態ではなかった。)

ハロウィンの雰囲気を感じながら飲食できる最適な場所がストリート上であり、こうしたテイクアウト品が好まれるのだろう。

ただし、このテイクアウト商品というゴミカテゴリーは立地にもよる。

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マックの近くにはマックのゴミ、

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コンビニの近くには、コンビニ弁当といった具合だ。

第6位

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ペットボトル

水やお茶、ジュースなどのペットボトル。

ペット
踏まれてペシャンコ状態のものも多い。

缶やビンに比べて順位が低いのは、圧倒的にお酒の人気が高いからということもあるかもしれないが、

おそらくはリキャップして、カバンの中にしまえるからという点で、深夜帯はまだまだ数が少なかったのだと思える。

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そして人は、こういうディスプレイ型の捨て方をすることも多く、場所によってはペットボトルが多く捨てられていた。

第7位

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ハロウィン衣装

これも時間帯によるが、終電近くや始発時間帯になると急に増える特徴的なゴミカテゴリー。

衣装
堕天使の翼

翼を生やしたまま帰ることができなかったのだろうか?

電車で帰るから、空を飛ばなくていいや。

といったところだろうか。

手錠や猫耳、ドラキュラマントや被り物などなど多岐にわたるが、

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マネキンの首を草葉の影に捨ててはならない。

発見した人にトラウマが残る。

.

以上が渋谷ハロウィンのゴミセブン。

まとめてみると、

1位:缶
2位:ビン
3位:包装袋
4位:タバコ
5位:テイクアウト商品
6位:ペットボトル
7位:ハロウィン衣装

という結果に。

ゴミの中身を見ると、ゴミになる前の商品がどこで売られているかが自ずと見えて来る。

圧倒的にコンビニだろう。

次いで、ファーストフード店や自販機、ドンキや東急ハンズの可能性も高い。

念のため書いておくが、ここでコンビニが悪いという結論に至ってはいけない。

コンビニもファーストフードも来街者の需要あっての存在であり、無くては困る存在でもある。

問題なのは、ハロウィンの日に限ってはゴミがキャパオーバーになり溢れてしまうということ。

キャパシティには物理的な意味(ゴミの量)と、精神的な意味(モラルの壁)があるがここでは物理的な意味に焦点を当てる。

人はゴミが捨てられているそばにゴミを捨ててしまう習性があり、ゴミのない場所に一番最初にゴミを放置するモラルの低い人は少ないはず。

だから、まず街に捨てられるゴミの量を減らせば、ある程度モラルが保たれる可能性が高いと考えられる。

例えば、
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こちら10月29日土曜日の夜

これは
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10月27日木曜日のほぼ同時刻
(明るさの違いは銀行の営業時間が曜日により異なるため)

渋谷だから常に夜の路地裏はゴミだらけという訳ではない。

ハロウィンの日は物理的にゴミの量がキャパオーバーを起こす、それは予め分かっている。

なので、コンビニもファーストフード店も店近くの定期清掃に力を入れたりはしているのだが、何か他の方法はないものか?

昨年2015年の渋谷新聞記事にて

【実録】渋谷ハロウィンをキレイにした人々とZeebra氏とキンコン西野氏。

「エンタテイメントの提供側が対話し協力し合い、業界全体で社会問題に対して向き合い変化していく”自浄作用”を生めるかが大切。」

と唱え、自ら業界横断の組織を作ろうと呼びかけ、先頭に立って実行し続けているジブさん(Zeebra)たちに共感の声が集まった。

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今年も朝5時からゴミ拾いへ。

渋谷ハロウィンに向けて他にも業界横断の対話が生まれれば、キャパオーバーを少しでも食い止められるのではないか。

ランキングの上位を占め、悪臭や危険性にもつながるアルコール業界横断での取り組みはどうだろう。

アルコールを製造する、キリン、アサヒ、サントリー、サッポロに加え酒類を販売するコンビニ各社での取り組み。

人々がお酒を望んでいるのだから販売を抑制するのではなく、

例えばビンに関してだけは怪我の2次災害もあるので店頭販売を抑制できないか?

コンビニやファーストフード店のビニール袋は、この日だけどうにか省略化できないか?

またはそこに缶やビンを捨てることが楽しいからわざわざ捨てに行くようなエンタメアイデアは考えられないか?

今回、ネットでも話題となったのがソフトオンデマンドが作った、

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ゴミを捨てると、セクシー女優が喋るゴミ箱。

空き缶や空き瓶は路上に置かれたらゴミになるが、飲んだ後そのまま分別してゴミ箱に入れば資源になりうる。

コンテンツの性質上からか円山町エリア限定設置だったので、あまり衆目に晒されなかったのが惜しいが、とてもいい発想だ。
(彼らはゴミ箱設置だけでなく、早朝の清掃も大人数で行った。)

「青少年の教育に良くない!」

とか事例を批判されるかもしれないが、そんな批判を並べる暇があったら

この面白いアイデア、来年どうしたら青少年の教育にも良い喋るゴミ箱作りに利用できるか対話し考えたい。

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アイコスを販売しているフィリップ・モリスは、今年宮下公園にアイコス専用の喫煙所を設けた。

携帯灰皿の配布も同時に行い、マナー啓蒙も合わせて行うことは意義ある取り組みだと言える。

しかし、わざわざここに吸いに行ったり吸殻を捨てに来る人は多くないだろう。

ハロウィンを機に他にも様々な会社が似たような方向に動いている気がするが、1社では大きなうねりをうみにくい。

アルコールメーカー各社と流通業界、そこにタバコメーカーもマックもスタバもソフトオンデマンドも横断で一緒に考え、協力し合えば、

渋谷らしいエンタメの力によって、ストリート上の空き瓶、空き缶、ゴミの山が減らせるのではないだろうか?

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2016年のハロウィン翌日。

今年も様々なボランティアや行政および街の方々の活躍により、

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渋谷の朝はキレイだった。

街をキレイにした多くの方々のおかげだ。

”昨年の渋谷ハロウィンと比べて、今年は昨年より勢いが無くなった、ピークは過ぎた”

などと話をする方々もいるが、

渋谷新聞的には訪日ゲストを含むギャラリーが一気に増えたことで、

コスプレ率が相対的に低下したとは感じたものの、

人数に関しては曜日の関係で分散化されただけで、トータルでは昨年をはるかに上回る人出だと感じている。

実際、雨の金曜日は人が少なかったことは確かだが、

29日(土)19時よりも30日(日)19時の方がハチ公前からセンター街にかけての混み具合は上だった。

そして31日ハロウィン当日、

平日月曜にも関わらず19時時点のスクランブル交差点は
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もはや世界的に有名なお祭りのように、人々が集まった。

渋谷区観光案内所には、多くの訪日ゲストが渋谷ハロウィンを問い合わせにやってきたという。

2017年の10月31日は火曜日

これまた分散化し人出が読めない一方、

27日(金)〜1日(水)まで渋谷ハロウィンが長く続くと考えれば、

業界横断での取り組みをもっと面白くする追い風にできるかもしれない。

ハロウィンの定義うんぬんはさておき、既に渋谷ハロウィンは日本人お家芸の”独自文化化”がなされている。

夜のハチ公前、センター街や公園通りを歩いた方々や、早朝のボランティアに参加した方々は気がついていると思うが、

渋谷ハロウィンは、仮装をする側も、観る側も、ゴミを拾う側もみんな一緒に楽しめる交流イベントだ。

楽しい反面、私たちはいとも簡単にゴミを出す側に回ってしまうことを意識しなければ、悪しき文化となってしまう。

ゴミだけじゃない、渋谷ハロウィンが落書きや痴漢、暴力事件などの犯罪や交通事故を引き起こす温床にならぬよう、

個人、仲間、業界内に自浄作用を持ち、世界に誇れるクールでクレイジーな渋谷ハロウィンを作っていきたい。

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最後に、今年もごく一部の人たちしか撮影できていませんが、

街をキレイにした人々の写真を掲載いたします。

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<取材協力>
渋谷の街をキレイにした人たち

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