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渋谷の最新ハラル(Halal)レストラン事情。ハラル和食、ハラル焼肉も!

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ハラル
ハラルとはアラビア語で「許可されたもの」という意味。

ムスリム(イスラム教徒)は、イスラム法に規定されたハラルであるもの以外は口にしたり身に着けてはならないことになっています。

「ハラルフード」とは、ムスリムが口にすることを「許された食材や料理」を意味します。

 
実際にどんな食べ物がハラルなのかご存知ですか?
 

簡単に言うと、

「豚肉とお酒はNG。豚肉成分の入った調味料や、みりんもお酒が入っているからNG」

「牛肉や鶏肉、羊肉などの肉でも、イスラム法にのっとった方法で処理されていなければNG」

といった決まりがあります。

ハラルレストランとは、そうしたハラルフードを提供しているお店のことを指します。

イスラム教徒の多い国の名前がついたレストラン「マレーシア料理店」「トルコ料理店」「インドネシア料理店」はハラルレストランであることがほとんどだと言えます。

本格的な「インド料理店」もほとんどがハラルレストランなのです。

一方で、みりんやお酒、醤油を料理の基本とする

和食のハラル対応ってすごく難しい。

焼肉屋の場合であっても、豚肉をお店で扱っていたらそれだけでNG、タレにお酒が入っているとNG。

牛肉もハラル処理をした肉を仕入れなければならない、と厳しい。

現在マレーシアやインドネシアから多くの訪日観光客が増えていますが、その大半がムスリムであるため、せっかくの和食が味わってもらえないという残念な状態が現実としてあります。

ところが!

渋谷には、ハラル対応した「和食」「焼肉」があるんです!

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そこで本記事では、イスラム教徒でありマレーシアから日本に留学中のキスティーナさんの協力の下、渋谷にある「和食」「焼肉」ハラル対応レストラン2店舗と、 日本人にもおすすめマレーシア料理店の合計3店舗を体験取材してもらいました。

ムスリムの友人や知り合いに間違いなくオススメできます!

 

早速、1店舗目。

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ハラル対応和食のお店「花咲じいさん」

 

こちら渋谷駅南口から徒歩1分。

 

ドアを開け、階段を降りると地下に隠れ家的に空間が顔を出します。

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柔らかい光の照明と、目の前に広がるカウンター席。日本の伝統的な料理屋のたたずまい。

個室も区切られており、ゆったりと落ち着いて食事を楽しめます。

キスティーナ
「雰囲気もとても伝統的で、日本らしさがあって素敵」

こちらのお店、2014年12月にハラルコーポレーションからハラル認定を取得。

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以前は日本人のお客さんに向けて出していた豚肉も

「豚の匂いが気になる」

といったムスリムの方々の声を反映し、認証をもらった際に完全豚肉の提供を止めました。

お肉はハラル処理をした宮崎産のハーブ牛を使用。

お店に入って目に入るのがこちら。

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カウンター席から見えるずらりと並ぶ日本酒。

お酒の提供無しに営業することは、日本のようなノンムスリムの国では経営的に厳しいようで、ムスリムのお客さんには絶対に口に入らないようにグラスは全てアルコール用と通常の物にわけ、洗浄のスポンジまでも分別しているとのこと。

訪日ムスリムの方々は、こうした日本のレストラン事情を理解し、自分の口に決して入らなければ目に触れても良いという考え方をされている方々が多いようです。

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イスラム教徒でも個人によって、また国によって厳しさは異なり、 アルコール商品を「見るのも嫌だ」という方のため、(予約時に空いていれば)離れた個室を提供することも行っているとのこと。

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これがハラル対応和食。

「ハラル御膳」/¥4,500-
お刺身に、天ぷら、焼き魚、サラダ、しゃぶしゃぶ、光り輝く白米。

店主の小山さんに話を聞いてみて驚いたことが、料理の味付けは予約時に出身国を聞くなどして、「辛さ」「味の濃さ」をその都度変えているとのこと。

例えば、東南アジアからの方々はスパイシーで濃い口の味付けを好むそうで、「日本人だと少ししょっぱいぐらいがちょうどいい」。一方で、トルコの方々は辛い味付けが苦手なため、本来の和食に近い味付けが好まれるようです。

ハラル御膳をはじめた当初、マレーシアの方々から「味がしない。」とよく言われたようです。

食材や調理に関してハラル対応しただけでは満足してもらえない。経験を通じた味付けの工夫がなければせっかくの和食も美味しいと思ってもらえない。

キスティーナも最初は物珍しそうに手をつけなかった魚やサラダも1口食べると気に入った様子。

醤油が辛口だったり、魚もスパイスがかかっていたりと、料理の1つ1つに工夫が施されています。

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やはり一番のお気に入りは、しゃぶしゃぶ!!

 

こちらのお店についてキスティーナからのコメントは、

Comment from Qitina
「Although the shabu-shabu sells alcohol, the meat that they sell and serve has been one of the best restaurants I have ever been to, including those in Malaysia. If the alcohol can generally be ignored, all Muslim people should definitely get a taste of this restaurant! Not only is it authentically Japanese, but the food is incredibly delicious!」

「アルコールは置いているものの、味はマレーシアの味そのもの。アルコールに関してそこまで厳格でなければ、ムスリムに是非このレストランに来てほしいです!ここなら本格的な和食を味わえるし、雰囲気もとっても日本の伝統が感じられます。」

 

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続いて2店舗目。

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ハラル対応焼肉のお店「牛門(ぎゅうもん)」

渋谷駅南口より徒歩約5分。

 

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のれんをくぐると昭和を思わせる古民家的な店内。

 

2階席もあり、

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建築物的にも海外の方が喜びそう。

 

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こちらのお店、ハラル認定を受けてから海外のお客さん比率が3割になったそう。

 

豚肉は一切扱っておらず、お肉は「花咲じいさん」同様、

宮崎ハラルビーフを使用しています。

 
何と言ってもこのお店の安心なところは、 料理人に

 
バングラデシュ出身のイスラム教徒、マテさん
 

がいること。キッチンのことは全てマテさんが管理しています。
 

いくらハラル認定店と言っても、信用してくれないムスリムの方はいるようで、ある時どうしても食事に手をつけなかったムスリムのご婦人がマテさんと話したことで安心して食べられた、というエピソードもあったようです。

 

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こちらがハラルセット、1人前。
ドリンク付きで/¥3,000-

 
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調理器具はもちろん、網やトングも全てハラル用にきちんと分別されているとのこと。

 

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肉の味付けにはハラル調味料を用い、「halal」と書かれた専用タレが用意されています。
宮崎ハラルビーフはとっても柔らかく、味付けはピリ辛で、日本人でも癖になる一品。

 
こちらのお店も、お酒の提供はありますが、ムスリム専用のグラスがテマさんによりしっかり管理されています。

 
キスティーナの感想は、

Comment from Qitina
「I have never been to a yakiniku restaurant before, so going to this restaurant in Shibuya was quite an experience! The cook and owner of the restaurant is a kind man and when he greets you as a Muslim at the door, you’ll definitely feel right at home! Along with the meat that you cook yourself, the rice that you are served with it makes your mouth explode with flavor. It is definitely one of the better yakiniku restaurants that I have experienced!」

「焼肉レストランには今まで来たことなかったので、とてもいい経験です。料理人の方もオーナーさんもとても優しく、ムスリムでもとってもアットホームな空気を感じられるはずです。自分で焼いたお肉を食べると口の中がおいしさでいっぱいでした。」

ハラルフードをご利用の方は2、3日前に予約が必要とのことなので忘れずに!

 

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以上が、ハラル認定をされ、味も太鼓判のおすすめ2店舗。

取材してみて感じたこと、それは日本の飲食店がハラル認定を取ることは非常に大変なことだということ。

ハラル用食材を、通常食材とは別に用意し、調理器具や食器に至るまで別々の管理が求められる。

さらに難しいのは味付け。

せっかくハラル認定を受けても、その国々の人々にとって美味しくなければお客様はついてこない。

この企業努力、頭が下がります。

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続いて、3店舗目。

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マレーシア料理レストラン「MALAY ASIA CUISINE」

国道246号線沿い、ファミリーマートの2階。

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エレベーターから降り、一歩足を踏み入れると
マレーシアの国旗がお出迎え。

広々ゆったりとした空間にアジアンテイストの家具、エキゾチックな南国雰囲気に一気に引き込まれます。

こちらのお店、ハラル認定はされてないとのことですが、オーナーがマレーシア出身のムスリムですので調理・食材全てハラル対応しています。

お客さんの7割は日本人、3割がムスリムということで、オーナーとしては商売上お酒の取り扱いをゼロにすることは厳しいと考え、日本人に対してだけお酒を提供するようにしています。

しかし、店内にアルコール商品を陳列しないことや、メニューにアルコール商品を載せないこと、また礼拝のための特別なスペースは設けていませんが、必要に応じて場所を提供するなど、ムスリムオーナーらしい気遣いに溢れています。

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「チャークイテオ(Char Kiew Teow)」がこのお店の人気ランチメニュー。

ランチセット/¥1、000

上記のメイン料理に
 +グリーンサラダ
 +珈琲、烏龍茶、ソフトドリンク
 +日替りのマレー菓子(パンダンケーキなど)
が付いてきます
※週末は、ドリンクがおかわり自由。
※平日は、サラダ、ドリンク、マレー菓子すべておかわり自由。

短い平打ち面に魚介類とピリ辛ソース味が絡んだやみつきになる味です。

日本の焼きそばに近い味かもしれません。

マレー料理でよく一緒についてくる「サンバル」と呼ばれる
ピリ辛ソースをつけると更に辛さが増してもう止まりません。

高校時代マレーシアに住んでいたことがある筆者も現地で食べたものと同じかどきどき。。。

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「マレーシアの味に近い!」とキスティーナ。

こちらのお店のこだわりは、

日本人の舌にあわせるのではなく、味付けや使用する調味料は現地のものと全く一緒にしていること。

キスティーナ自身、今年の夏、来日したご両親をこのお店に連れて来たようで、敬虔なムスリムのご両親も大満足したそうです。

最後にキステーィナからのコメントです。

Comment from Qistina
「The food at the Malay Asian Cuisine was fruitful and reminded me a lot of Malaysia.
The fact that the cooks are Malaysian certainly contributes to that feeling of “home”, reminding me of the food that I know so well.」

「Malay Asian Cuisineの味はフルーティーで、マレーシアを思い出しました。料理人の方がマレーシア人というのも、ふるさとの味を思い出す理由だと思います。」

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スタッフの方とマレー語で楽しそうに会話するキスティーナ。
もう3人ともkeluarga(マレー語で家族)のようです。

さて、これで3つのハラルレストランの紹介は以上です。

ムスリムの方々はせっかく日本に来てもどこで食事をすれば良いか分からず、結局安心なマレーシア料理やトルコ料理、またホテルの部屋で自国から持ってきたインスタントの食事をする、というのが今までの現状でした。

でも、食事は旅の醍醐味ですよね。

このようにハラールの適切な知識を持ったオーナー、料理人がムスリムの方々にも日本で楽しく食事ができるように工夫をこらしたお店が渋谷にはあります。

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実は、マレーシアやインドネシアなどイスラム穏健国から来るひとは、そこまでお酒に対しては厳しくないそうです。

キスティーナによると「豚肉は絶対にいやがるけど、お酒に関しては罪の意識が低い」と。

もともとイスラム教発生期には、お酒は許されていたそうですが、お酒で酔っぱらって礼拝をさぼったり、喧嘩をしたりと礼拝を妨げる原因となるので、「飲酒の絶対禁止」へと変わっていった歴史があるそうです。

なので、お酒に対する意識は地域や個人差が見られます。

トルコはイスラム教の国ですが、トルコビールが有名であるように。

ムスリムの方々でも個人によって厳しさの度合いが違うので一概に言えることではありませんが、東南アジアからのイスラム教徒の方で、お酒は飲まなければ大丈夫、という方々は「日本でクオリティーの高いハラルフード料理」を楽しめます。

また、「お酒は目にも入れたくない」と意見がればお店側も柔軟に対応をしてくれます。

以上3店舗は、ムスリムであるキスティーナが実際に体験し、太鼓判を押した渋谷のハラルレストランです。

ムスリムの友人が訪日した際には、せっかくなので「和食」や「焼肉」を食べて盛り上がってみてはいかがでしょうか?

執筆:Nao Nishizaki

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花咲じいさん
<営業時間>
ランチタイム(平日)10時半~15時
ディナータイム 17時~24時
<交通>
渋谷駅南口より1分
<住所>
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町3-22 サクラビルB1
<お問い合わせ>
03-3496-7777 (10時半~24時)

牛門
<営業時間>
[月~金] 17:00~翌4:00
[日・祝] 17:00~23:00
<交通>
JR埼京線渋谷駅新南口 徒歩4分
<住所>
東京都渋谷区渋谷3-14-5
<お問い合わせ>
03-5469-2911

Malay Asia Cuisine
<営業時間>
ランチ 11:00〜14:30
※14:30~ 貸切は可能(要相談)
ディナー 17:00~23:30
日曜日 11:00~22:00
<住所>
東京都渋谷区渋谷2-9-9 SANWA青山ビル2F
<お問い合わせ>
03-3486-1388

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