日本人初!フットバッグ世界チャンピオン!渋谷を聖地とするフリースタイルスポーツの覇者に会いに行く! 2015.6.12
日本人初のフットバッグ世界チャンプが、この人!
石田太志さん!
彼が成し遂げた偉業は、2014年フットバッグ世界選手権での優勝。
彼は日本人初のフットバッグプロプレイヤーであり、日本人初の世界チャンプなのだ。
この2行で十分すごさが伝わったと思うのですが、やはり気になるのは、
フットバッグって何?でしょうか。
フットバッグとは、足で、バッグを蹴って技を競うスポーツです。
似たもので言うと、お手玉みたいなものです。
小さなお手玉でサッカーのリフティングをするといった感じです。
あんなに大きなサッカーボールですらリフティングが難しいのに、さらに小さなお手玉で!
フットバッグに最適と言われている、adidasのロッドレイバー。
編集長の私物です。
もともとこのロッドレイバーはつま先部分が平らなのですが、さらにバッグを乗せやすくするために、ひもを通す部分の縫い目をカットして平らな面積を増やしているんです。
(実は編集長、昔フットバッグにはまっていました。)
渋谷新聞
早速ですが、フットバッグを初めて知る方に向けて、プレイをしていただけますか?
太志さん
もちろんです!フットバッグには技の種類が2000種類ほどありますが、何にしましょうか?
渋谷新聞
そうですね、蹴り上げてすぐ同じ足でまたいで、首の後ろを通って落ちてきたところを逆足でまたぎつつ蹴り上げた方の足を後ろで交差してシューズのサイドでキャッチするような技をお願いできますか?
太志さん
わかりました(笑)その技の名前は、、
フェニックス!
渋谷新聞
約10年前誰もがトライして諦めていたフェニックスを軽々と、さすがです!
ではでは、もう少し難易度の高い技もお願いします!
太志さん
先ほどのフェニックスは難易度レベル5に分類されているので、次はレベル6の技をやりますね、いきます!
フードプロセッサー!
渋谷新聞
もはや、足をどうしてこうしてと文字で伝えるのが限界です(笑)
この技を、日本人で軽々とできる人はそんなに多くないと思います。
さて、日本のフットバッグ事情についてお聞きしたいのですが、太志さんから見て、日本におけるフットバッグムーブメントは今後高まっていきそうでしょうか?
太志さん
プロとして日々フットバッグに関わっていく中で、ひとつ課題を感じ始めています。
渋谷新聞
いきなり本質をついた話になりそうです、それは?
太志さん
世代交代です。
私が、フットバッグをはじめたのは2003年です。その頃すでにここ渋谷・代々木公園の噴水広場はフットバッグの聖地で、十数人のプレイヤーが集まり、みんなで技を競い合ったり、初心者に教え合ったりというフットバッグコミュニティが出来ていました。
そして、そのコミュニティが大きく育つきっかけになったのが、同じく2003年にはじまったPEPSIのフットバッグキャンペーンでした。
渋谷新聞
そうですね、私もPEPSIのキャンペーンをきっかけにフットバッグを知り、その当時毎週のように代々木公園に来ていたことを覚えています。
太志さん
そこから、全国レベルでフットバッグプレイヤーが次々と誕生し、日本初のフットバッグ選手権「JAPAN FOOTBAG CHAMPIONSHIPS」も誕生しました。その頃には代々木だけでなく、全国の至る所でプレイヤーが集まるコミュニティが誕生したんです。
渋谷新聞
そのコミュニティは、今も続いているんでしょうか?
太志さん
残念ながらかなり縮小しています。その要因の一つには、2003年当時の日本におけるフットバッグの第1世代のレベルが高くなり、初心者がコミュニティに入りづらくなっていったということがあったように思えます。
渋谷新聞
なるほど、当時は冒頭のフェニックスができるなんて夢のようで、経験者も初心者もすぐに楽しめる雰囲気がありましたね。
太志さん
本当にそうですよね!ですから、プロとして自分にできることは、日本全国に出向いてフットバッグの楽しさを分かってもらい、プレイヤーを一人でも多く増やしていく活動だと思ってやっています。
今日一緒に練習している彼も、北海道でフットバッグファンを増やす活動をしていた時に出会ったんです。
北海道で太志さんと出会い、フットバッグを通じて今でも交流を深めている”西本さん”。
西本さんはフットバッグ歴4年目の言ってみれば第2世代。
この日は、太志さんと練習するために現在お住まいの千葉県から渋谷まで来たそうだ。太志さんの地道な活動は、着実に実を結んでいる。
渋谷新聞
西本さん、今練習中の技はなんですか?
西本さん
スーパーフライというレベル5の技です。
渋谷新聞
レベル5!すごいですね。せっかくなので世界チャンピオンにレッスンしてもらいましょう。
太志さん
もちろん!いいですよ!
スーパーフライ
渋谷新聞
西本さんおしい!チャンピオンさすがです!
ところで話はもどりますが、太志さんが世界チャンピオンになったことは、プレイヤー人口を増やしていくうえでかなり追い風になったんじゃないですか?
太志さん
はい、おかげさまでテレビをはじめ多くのメディアに出演させていただく機会が増え、フットバッグそのものへの注目も高くなりました。これは、日本だけでなく海外にも影響をしています。西本さんがわざわざ一緒に練習したいと言ってきてくれるように、今日もアメリカからプレイヤーが遊びに来てくれています。
渋谷新聞
アメリカから?
渋谷新聞
Katyaさん、太志さんとは以前からお知り合いだったんですか?
Katyaさん
いいえ、彼を知ったのはつい最近、Eメールで知り合ったの。今回台湾と日本に2週間旅行に来る予定で、そこで、せっかくだから日本にいるフットバッグプレイヤーと遊べたらいいなと思ってたの。アメリカにいるフットバッグプレイヤーの友人Ken Somolinosに誰かいない?って聞いたら、太志を紹介されたの。
渋谷新聞
ケン・ソモリノス!2003年当時、日本のフットバッグレベル向上に寄与してくれた恩人であり、世界的にも偉大なプレイヤーの一人。
アメリカはフットバッグ大国であり、競技人口も格段に多い。
日常的にネットコミュニティで連絡を取り合い、いつでもどこでもフットバッグプレイヤーが集まれる環境ができているようだ。
今後アメリカをはじめとした海外のプレイヤーが日本の太志さんを訪ねて来ることが増えていきそうだ。
スポーツに言葉の壁はないですね!
渋谷新聞
ところで太志さん、その胸のネックレスはもしかして?
太志さん
はい、私が手作りで作ったフットバッグモチーフのアクセサリーです。
渋谷新聞
え、本当に自分で作っているんですか?
太志さん
はい、このアクセサリーの他に、バッグも作っています。今では海外の工場にバッグを発注して、全国20店舗のサッカーショップKAMOでも取り扱ってもらっています。
気になる方はfootbag maniaをチェック!
プレイヤーを増やし、日本のレベルも上げ、バッグもプロデュースし、ファッションにも仕立てあげる。石田太志選手は、名実ともにプロであると感じました。
渋谷新聞
最後にお伺いしたいことがあります。フットバッグはもともと渋谷の代々木公園でコミュニティが始まりました。これから先、新しいカルチャーが渋谷から生まれるとしたら、渋谷のどこからだと思いますか?
太志さん
そうですね、、、公園だと思います。
フットバッグもそうですが、人の見えるところで何かをやっているというのが重要だと思うんです。
そうすると何人かに1人くらい興味を持ってくれる。
代々木公園や宮下公園には、本当に様々なフリースタイルな人たちが自由にパフォーマンスをやっているんですよね。ダンスだったり、スポーツだったり。
フリースタイルって言う位なので、ジャンルを超えてコラボが自然と生まれることもあるんです。
渋谷新聞
例えば、ダンスとか?
太志さん
そうです。共通するのは音楽に合わせてパフォーマンスをしているジャンルが多いですね。サッカーのリフティングをパフォーマンスにしているフリースタイルフットボールや、最近ではけん玉のプロの方と宮下公園で一緒に遊んでみたり。それってやっている方も、偶然見かけた方も面白いはずなんです。
渋谷新聞
フットバッグとけん玉のコラボって絶対面白いですよね!
太志さんが蹴ったバッグが、けん玉に収まる。
太志さん
まさにそんな感じです。それがとても面白いので、その後仕事として一緒にイベントに出演したりするんです。
フットバッグにまつわるトークはとまらない。
そして、最後にとても興味深い話も聞けました。
公園には、新しいカルチャーを生み出す力がある。
その公園が渋谷のように多種多様な、国籍も多様なフリースタイラーにとって集まりやすい場所であるのなら、なおさらだ。
今後の渋谷再開発で、こんな公園文化が増えていきますように!
では最後に、昨年フランスで行われたフットバッグ世界大会、石田太志選手が優勝を決めた映像をどうぞ!
Do! Footbag!
取材場所
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代々木公園
渋谷区代々木神園町2-1
24時間営業
