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話題のコワーキングスペース、作りませんか?満員御礼のco-ba shibuyaが面白い。

シェアオフィス、コワーキングスペース。

最近よく耳にする話題の言葉だが、実際に利用経験のある方々はそう多くないのではないかと思われるこの業態。

実はここ渋谷はシェアオフィス、コワーキングスペースのメッカである。
※渋谷駅周辺17店、新宿駅周辺10店、表参道駅周辺9店。(渋谷新聞調べ)

渋谷にあるシェアオフィスオーナーに話を聞いたところ、ユーザーの大半の方々は自宅を事務所としながらも、仕事に集中できる外の環境が欲しいこと、そしてその場所は仕事相手とのミーティングに利便性が高く、自宅からのアクセスも良い場所を欲しているとのこと。

ということで、渋谷は人気だという。

ところで、シェアオフィスとコワーキングスペースの違いは何だろうか?

コワーキング(coworking)とは、

事務所スペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルを指す。一般的なオフィス環境とは異なり、コワーキングを行う人々は同一の団体には雇われていないことが多い。通常、在宅勤務を行う専門職従事者や起業家、フリーランス、出張が多い職に就く者など、比較的孤立した環境で働くことになる人が興味を持つことが多い。
コワーキングは独立して働きつつも価値観を共有する参加者同士のグループ内で社交や懇親が図れる働き方であり、コスト削減や利便性といったメリットだけではなく、才能ある他の分野の人たちと刺激し合い、仕事上での相乗効果が期待できるという面も持つ。(Wikipediaより引用)

シェアオフィスが、シンプルに”オフィススペース貸しビジネス”だとすると、コワーキングスペースは”シェアオフィス+コミュニティ機能”を提供するビジネス。

調べてみると、女性専用や学生専用、ファッション・アパレル特化型、ヘルスケア業界での開業を目指す人専用、スタートアップ起業を目指す人専用など、共通の課題や目的に向かっている人々が集まること、それが利用者にとっての大きな価値になっているコワーキングスペースもある。

今回渋谷新聞が取材したのは、そうした”性年代や業界などのしばり”が無いながらも、満員御礼で入会待ちが発生しているコワーキングスペース”co-ba shibuya(コーバ・シブヤ)”。

立地は、

渋谷駅新南口から約3分位の立地。

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ビルの5階が”co-ba shibuya”
オシャレなスタートアップ企業のオフィスのようだ。
そしてMac率の高さに驚く。

co-ba-ue(画像はco-ba HPより)
座席は固定席とフリーアドレス(自由席)と契約の種類によって分けられており、思い思いの場所で仕事ができる。

112_590(画像はco-ba 提供)
壁一面が黒板、小学校がこんな教室だったらどんなに楽しいだろう。
等身大の相合傘をチョークで描いて、初恋の人と並んで立つ。
そんな妄想クリエイティブが生まれやすいようにデザイン設計されたのかもしれない。

11_590(画像はco-ba 提供)
電源タップが天井から吊るされている。これも遊び心だろう。
”co-ba=工場”イメージでわくわくする。

ざっと見まわしたところ20代~30代が中心であったが、その上の世代らしき方々も数名いた。
この日の男女比は、およそ7対3位。

そして同じビル内にもう1フロア、

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ビルの6階”co-ba library(コーバ・ライブラリー)”
その名の通り、フリーアドレス席を取り囲むように様々な書籍が並ぶ。

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受付にはやはりMac。木のぬくもり仕様。
こちらのフロアは下の階よりもオフィスっぽくなく、開放感がある。

co-ba-sita(画像はco-ba HPより)
入口に近い方から、白い空間、ウッディな空間、黒い空間(打合せ室)へと続く。

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これまた、こんな教室だったらいいなと思わせる作り。
休み時間、クラスのみんなの視線をよそに好きな子と読書をしたり勉強を教え合ったり。
そんな妄想コミュニケーションが生まれるように設計されていると確信。

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ギターを弾いてもいいのだろうか。
筆者には経験がないが、文化祭実行委員会の部室はきっとこんな感じだろう。
夜な夜なみんなで「オー♪シャンゼリーゼ♪」と大合唱。してたら最高。

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最新の雑誌を読みながら、

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コーヒーを飲む。
無料は嬉しい。

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フリーアドレス席では会員同士が談笑する風景も。
雰囲気的にはカフェにも近い。

そして、フロアの最奥が打ち合わせスペース。
シェアオフィスやコワーキングスペースの打ち合わせスペース、と聞くとどんな空間を想像するだろうか?
恐らく会話が外部にもれないような個室空間をイメージするのではないかと思うのだが、

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驚くことに、打ち合わせスペースとデスクスペースの間には仕切りがない。

実際にこちらのスペースで取材打合せをさせてもらったのだが、フロアの会員さんたちは気に留めることなく仕事に集中していた。
ひとくちにコワーキングスペースといっても店によりルールは異なるらしく、ここco-baのルールは、

・会話は随時OK。
・電話OK
・キッチン、冷蔵庫は自由に使ってOK。
・デスクスペースで飲食OK。
・飲酒も特に制限なし。
・24時間オープンなので徹夜OK。

と、かなり自由度が高い。
入会時に必ず一人一人と面談し、こうしたco-ba の自由な方針に賛同し、社会人として気持ちよく行動してくれる会員さんたちが集まっているため、雰囲気も良い。

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渋谷新聞的には冷蔵庫内のアルコール多めの雰囲気に共感。

ただし、飲食に関して唯一NGがあるらしく

・匂いの強い食べ物(ドリアン等)はNG。
でもそれでコミュニケーションが生まれるならOK。

ドリアンから生まれるコミュニケーションがどんなものか想像がつかないが、のんべい横丁の狭い店内で誰かが”くさや”を注文したら、間違いなくお客さん同士のコミュニケーションが急速に加速することと近いのかもしれない。

「先日ここで、会員さんたちと燻製料理を作ったんですよ。」

と話してくれたのが、
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co-ba shibuyaのコミュニティマネージャー「吉田めぐみ」さん。通称ぐみちゃん。

コミュニティマネージャーの仕事は、会員の方々同士がどうつながっていくか、どうコミュニティを作っていけるか、そんな仕掛けを日々創ったり考えたりすることだそう。

例えば小さなことで言えば、人と人との仲介。
仕事のつながり上、ある会員さんが他の会員さんに興味を持つことがある。
でも急に話しかけるのは緊張する、そんな時コミュニティマネージャーが間を取り持つ。

それを最大化するためにco-ba主催の飲みイベントも数多く企画しているそう。

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燻製イベント、いつでもスタンバイOKのようだ。

渋谷新聞
「なぜ燻製イベントを?」

ぐみちゃん
「もともと会員さんの中に、実家特製の燻製ベーコンをブランディングして販売している方がいたのがきっかけです。その他にも、アウトドアをテーマにビジネスを作っている会員さんが複数いらっしゃたので、co-ba交流会でコラボしようということになり、この会場をキャンプ場”co-ba キャンプ”に見立てて企画しました。
会員同士いきなり一緒にビジネスしましょうってけっこうハードルが高いので、キャンプ体験の中で人となりをお互いが知り、そこからビジネスにつながるっていうのが自然かなっと思って。そのきっかけづくりのための交流イベントなんです。」

後日、交流会があるということでお邪魔させてもらいました。
この日のテーマは”宮城”。
ぐみちゃんの故郷の味を楽しもうという会だ。

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co-baが居酒屋に。
交流会は会員限定ではなく、希望すれば誰でも参加可能。
コワーキングスペースには興味があるけれど、いきなり入会ではなく、ちょっと雰囲気を覗いてみたいという方々も多いそう。

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宮城と言えば、牛タン。
みんなで焼きあえば、舌もまわる。
焼肉もコミュニケーションを生むためのツールだ。

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モックモク
完全にco-ba=工場ですよ(笑)
次の日絶対匂いが残る。
その匂いをきっかけにコミュニケーションが生まれれば、それもOKなのだろう。

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宮城にある”co-ba気仙沼”のオーナーとネット中継で乾杯。
co-baは全国に14か所あるそうで、月額利用会員であればどこのco-baも利用し放題。

渋谷新聞
「co-baのコミュニケーションがきっかけで、実際に会員同士がビジネスでつながったことはありますか?」

ぐみちゃん
「あります。例えば、新しくサービスを立ち上げたいって会員さんがいまして、でも知り合いにデザイナーがいない、コピーライターがいないと。そこでco-baで仲良くなった方々で一時的にチームを作り、新しいサービスを立ち上げるためのプロモーション用WEBサイトやパンフレットを作ったりということがありました。
会員同士がつながって新会社ができたこともあります。」

「あと、会員さんがco-baの運営者になんて事もありました。」

コワーキングスペースは作れる?

ぐみちゃん
「例えば、co-ba調布は、もともとco-ba 渋谷の会員だった方の会社で運営をしています。」

渋谷新聞
「え?co-baって場所によって運営母体が違うんですか?」

ぐみちゃん
「co-ba渋谷は、私たち株式会社ツクルバが一番最初に手掛けたコワーキングスペースなので直接運営をしています。その他の13拠点は、運営会社やオーナーがバラバラです。私たちの考え方に賛同してくれているかどうかはとても重視しますが、決まってしまえばco-baパートナーとしてそれぞれの地域に合うように作り、運営をしてもらうという形です。」

渋谷新聞
「簡単に言ってしまえば、意気投合すれば誰でもco-baを好きなところに作れちゃうってことですか?」

ぐみちゃん
「そうですね、まずはco-baマインドを理解して、作りたいコミュニティのイメージがあり、その地域で面白い人達を巻き込める求心力を持った方でしたら、立地などはあまり問いません。例えばco-ba気仙沼を運営されている方は地元の方ではない、たまたま気仙沼を旅していた旅人でした。気仙沼にいる頃、震災にあって復興に携わりたいということでco-ba気仙沼を作ろうと考えた。復興のために人が集まれるスペースがなければ、という思いで。」

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kesen2(画像はco-ba kesennuma HPより)

渋谷新聞
「ここで作りたい、運営する、って決めてある程度資本金を用意すれば、あとはツクルバさんがデザインや内装作りを行ってくれるんですか?」

ぐみちゃん
「ツクルバデザインが手がけているところもありますが、なるべく地元のクリエイターと一緒に作るのをおすすめしています。地元の方が、地元のデザイナーや建築家と一緒にco-baをローカライズする。それがco-baオーナーとして大切なマインドにも繋がっています。」

「co-ba気仙沼の場合は、先ほどの旅人さんがco-ba作りを構想中だった折、これまた旅人であり建築家さんだった方がたまたま近くを通りかかったと、それでその方に設計をお願いした。その建築家の旅人さんは設計図面を書き残しまた旅にでた。そうやって完成したんです。

ちなみにその建築家さんが旅を終え、地元にもどって開いたのがco-ba飛騨高山。気仙沼で得た経験をもとに、自分の地元で設計事務所を開き、高校の同級生と一緒にco-ba飛騨高山を作ったんです。」

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hida2(画像はco-ba hidatakayama HPより)

このように、”場”の誕生時点からコミュニティのつながりが生まれている全国のco-baブランド。
実はco-baは「コワーキングスペース」とは銘打っておらず、「シェアードワークプレイス」と表現している。
空間としてのスペースではなく、人がいてコミュニティがあってこそ活きる「場」であるという想いから生まれたコンセプトだ。

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冒頭触れたように、シェアオフィスとコワーキングスペースの違いは「+コミュニティ機能」。

コミュニティ機能の価値とは何か?

co-baの運営会社ツクルバのCCO中村さん曰く”ソーシャルキャピタルが手に入ること”であると。

テクノロジーやコミュニケーションツールの進化により、世の中に価値を生み出す方法は格段に増えてきた。
一昔前までは、どこかの地域にシェアオフィスやコワーキングスペースを作ろうと思ったら、資金、設計、建築、広告、営業、会計などなど求められる要件や人材、スキルが高度であったと思う。

”こんな場所あったらいいな”と思ってみても、とても素人が手出しできるようなものではない。

けれど、意気投合した仲間たちが集まれば、みんなの協力で作ることができる。
今ならクラウドファンディングで資金を、クラウドソーシングで設計を、なんてことも可能だったりする。

作るだけではない。
作った場所に、また新たなソーシャルキャピタルが生まれてくる。
そうすると、自分のビジネス、地域のビジネス、社会のビジネスにつながるのではないだろうか。
言い換えると、自分や地域や社会の課題解決にもつながっていく。好循環が生まれる。

つい最近、新たにオープンしたco-ba niigataがいい例だ。

新潟のビーチに面した海の家をリノベーションし、シェアードワークプレイスに仕立て上げたのだ。
今までは夏の間だけ稼働していた物件が、夏も含めて年中稼働する物件に。
日本全国で課題となっている空き家問題や、ビーチやスキー場といった季節に左右される観光地の新たなビジネスモデルにもつながる。

それだけじゃない。
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こんな気持ちの良い立地で仕事ができるとなれば、Uターンや移住促進にも効くだろう。
ただでさえ、酒・米・魚において超絶魅力的な新潟であるのだから。

世の中に価値を生み出す方法の一つとして、自分の好きな場所にシェアードワークプレイスco-baを作る。
自分だったらどこに作ってみようか?
そんな妄想を楽しむ目的で、一度co-ba shibuyaを訪れてみてはいかがだろうか。

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<取材協力>
co-ba shibuya
http://tsukuruba.com/co-ba/shibuya/
営業時間
5F co-ba shibuya:24時間365日(会員のみ)
6F co-ba library:月〜金 10:00~19:00
(土日曜祝日、年末年始休み)

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