渋谷新聞は東京・渋谷の粋な情報を発信するWEBマガジンです。

渋谷のまちのチーズ劇場。SHIBUYA CHEESE STAND

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「も~ジューシー!」

と思わず声を上げてしまうほど新鮮なチーズが食べられるSHIBUYA CHEESE STAND

渋谷駅から徒歩約10分、代々木公園の緑も目に優しい、穏やかな雰囲気の神山町の一角。

最近人気の奥渋谷エリアだ。

お店のコンセプトは、

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「街に出来たてのチーズを」。

なんと店内には、その場で出来たてチーズが食べられるように工房が併設されている。

一口にチーズと言っても、種類がいくつかある。

大きく分けるとナチュラルチーズとプロセスチーズ。

ナチュラルチーズは、乳酸菌や酵素が生きている、文字通り自然のままのチーズ。

プロセスチーズは、加熱し、乳化剤を加えて熟成を止めたチーズ。保存性が高いモノだ。

ここCHEESE STANDでは、ナチュラルチーズが作られている。

モッツァレラ、リコッタ、ブッラータ、カチョカヴァロの4種類。

カチョカヴァロ以外の3種類は、ナチュラルチーズの中でも熟成をさせずに食べられるフレッシュチーズと呼ばれる種類。 

その中でも、初めて来た方に先ずおススメしているというメニューがある。

2種類のチーズのフレッシュさを体験できる
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”出来たてモッツァレラ&リコッタ”(640円)

モッツァレラチーズ(左)にはオリーブオイルがおススメとのことだが、

まずは何もつけずに味わってみてほしい。

口の中で弾むみずみずしい歯ごたえ、フレッシュなのどごし。

出来たてのフレッシュチーズは、こんなにもみずみずしく弾けるものだとは知らなかった!

リコッタ(右)は、

口に入れた瞬間に溶けるような柔らかさと、優しい甘さが広がる。

さらにハチミツをつけて食べるのがおススメだ。

まちのチーズ劇場

なかなかお目にかかることができないチーズの製造工程が、ここでは全て丸見え。

モッツァレラチーズのつくり方を簡単に説明すると、

1.加熱殺菌した牛乳を、カード(凝固物)とホエイ(乳清)に分ける

2.カードのみを取り出し、練り込み、成形する

この練り込み、成形する工程は面白いので是非お店で見ることをオススメする。
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白く引き伸ばされているのがカード(凝固物)。

ボウルにカードと熱湯を入れ、何度も練り込んでは引き伸ばすを繰り返していく。

丸く形を整えて、両手でつかみ成形すると、
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「スライムがあらわれた!」

と言わんばかりに、モッツァレラの粒が出現。

モッツァレラの語源は、イタリア語で”引きちぎる”を意味する「mozzare(モッツァーレ)」。

モッツァーレされた塊を冷水で落ち着かせたら完成だ。

このモッツァーレの工程が工房で見られるのは、毎日13時頃まで。

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言うなれば「LIVE MOZZARE(ライブ・モッツァーレ)」

まさにチーズ劇場である。

続いてはリコッタ。

モッツァレラチーズはカードが原材料だったが、リコッタはホエイ(乳清)を使う。

リコッタとは、イタリア語で、「ri」二度「cotta」煮る という意味だそうだ。

牛乳を煮てホエイが出来る、さらにそのホエイを煮て作られるのでリコッタなのだ。

名前の由来の通り、ホエイを煮詰めると
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湯気が出てフワフワでホロホロ。とてもうまそうだ。

できたてはアツアツだが、水気を切り冷ますと、リコッタの完成。

ホエイは、プロテインや化粧水に使われるほど栄養価が高く、乳糖やビタミンが豊富に含まれている。

そんな栄養満点のホエイは、
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ドリンクでも楽しむことができる。

”ホエイドリンク”(340円)。

ホエイのほのかな酸味と、マンゴーレモンのピューレの香り、そして甘みと酸味が絶妙。

ピューレの果物は季節によって変わるそう。

そして、このお店の極めつけは、

日本で初めて製造・商品化に成功したというチーズ

モッツァレラチーズを薄く延ばし袋状にしたものに、生クリームとちぎったモッツァレラを入れ、

同じくモッツァレラでできた紐で巾着型にきゅっと縛る、

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”東京ブッラータ”(1,080円)

この個性派チーズ、発祥はイタリア・プーリア州。

ブッラータは新鮮さが大切なため、これまで日本国内でつくられることはほとんどなく、海外から輸入される量もとても少なかったという。

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袋を開けると中からトロリ、いただきます。

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「も~ジューシー!」

とリアルに牛さんもうなるほどの濃厚な味わい。

ここは東京都清瀬市にある増田牧場

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牛さん
「牧場主は3代目の増田光紀さん・徳子さんご夫婦だも。ご両親と家族4人で酪農家を営まれているも〜。」

CHEESE STANDのチーズは、都内の清瀬市や東久留米市にあるいくつかの牧場で搾乳された牛乳を原料にしている。

牛乳の生みの親、牛さんにインタビューするためはるばるやってきた。

が、意外にも渋谷から電車で約1時間。

「牧場」だから3時間程度の移動時間を覚悟していたが、

思ったより近かった(笑)

しかし、この「近さ」も実は美味しさの秘密らしい。

牛さん
「あまり遠くから牛乳を運ぶと、震動で乳成分がぶつかりあい、状態が変わってしまうもー。」

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牛はデリケートな生き物で、食事や牛舎の気温など、多くの外的要因で牛乳の生産量や質が変化するという。

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搾乳中、声をかけあいながら時に牛の状態をお互いに共有するなど、きめ細やかに飼育をしている様子が印象的だった。

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搾りたての牛乳。

搾乳は、1日2回毎朝9時と夜の9時頃に行われるそうだ。

鮮度が命のフレッシュチーズ。

農場で搾られた牛乳が、

早いと12時間、遅くても24時間以内にはチーズに生まれ変わる。

ここSHIBUYA CHEESE STANDで。

狙い目はテイクアウト

オープンして4年、
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今では渋谷の名店として、多くの人気を集めている。

実際に取材をした平日の朝、店舗のオープンを楽しみにしている方たちが開店前から並んでいた。

行列を見て、お店に入ることを諦めた経験のある方もいるのではないだろうか。

渋谷駅から歩いて10分強。

せっかく辿り着いても長時間待つのは嫌だな、

という方には

出来たての美味しさを持ち出せる、テイクアウト

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テイクアウトは、お店の工房で出来たてのチーズが一つひとつ丁寧に梱包されている。

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ショッパーのドット柄がキュート。

自宅用だけでなく友人宅でのパーティやピクニック、BBQのお土産としても最適。

これといったお土産が少ない渋谷。

こちらのMade in Shibuyaの弾力あるチーズをパーティでシェアすれば、舌も会話も弾むだろう。

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今回紹介したチーズはもちろん、サンドウィッチやスープもテイクアウトが可能。

さらに、ランチにもピッタリなのは、

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ビアンカ(880円)。

モッツァレラチーズとフレッシュトマト、バジルをふんだんに使ったピザ。

薄くて歯ごたえのあるクリスピータイプのピザ生地と、熱が入りクリーミーさが増したモッツァレラとの相性がベストマッチだ。

これからの季節、渋谷新聞的におススメしたいのは、すぐ近くにある代々木公園での屋外ランチ。

出来たて、焼きたてをテイクアウトし、秋晴れの代々木公園でピクニック。

なんとも贅沢な時間を過ごしてみてはいかがだろう。

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取材を通じて感動したのは、フレッシュチーズの美味しさだけではない。

それは、チーズに関わる人たちの情熱だ。

このお店のオーナーでありチーズ職人の、
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藤川真至さん。

学生時代にバックパック旅行で立ち寄ったイタリア。

出来たてのモッツアレラチーズを食べ、あまりの美味しさに衝撃を受けた。

このモッツァレラとの出会いが、藤川さんの運命を変えた。

出来たてのチーズの美味しさや、フレッシュチーズが日々の食卓に並ぶ楽しさをもっと多くの人に伝えたい。

渋谷に店を構えたのは、フレッシュチーズを、遠方まで足を運ばないと食べられない非日常のものではなく、日常のものとして身近に感じてもらうためだ。

しかし、渋谷に店を構えると牛乳を生み出す牧場からは離れてしまう。

それでも、渋谷でチーズをつくるために、毎朝搾りたての牛乳を提供してくれる酪農家さんを探すなど、理想のお店づくりの努力を続けた。

2016年9月にはチーズに関する情報を発信するwebサイト「CHEESE media」を立ち上げた。

更に年末には、新店舗をオープン予定と活動の領域を広げていく。

もはや職人の域を越え、チーズ文化を広めようとするチーズの伝道師である。

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そして、スタッフの皆さん

接客や働く姿から、CHEESE STANDの商品を心から愛している様子が伝わった。

お店の雰囲気がとても心地よかったのも印象的だ。

また原料である牛乳も、情熱の賜物だ。

牧場の増田さん
「牛乳は牛の体でできている。だったら、牛の体にとって少しでもいいものを食べさせてあげたい」

増田さんの牧場は、牧草など牛の飼料の一部を自分の畑でつくっている。

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都内とは思えないトウモロコシ畑。年に2回植え、発酵させたものを牛の飼料にしているのだという。

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牧場の増田さん
「これまでつくった牛乳は、納品したあとは、様々な乳製品になるので、手応えを感じづらかった。

SHIBUYA CHEESE STANDのおかげで、具体的な製品になり、しかもそれが多くの方に喜んでもらえているのがわかる。

これは僕たちにとってもありがたいこと。励みになっています。」

大切に育てられた牛乳が、情熱を込めて、チーズに生まれ変わっている。

出来たてのフレッシュチーズを味わいつつ、チーズへの情熱溢れる”渋谷のまちのチーズ劇場”をぜひご覧になってみてはいかが。

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<取材協力>
SHIBUYA CHEESE STAND
住所:〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-8 1F
営業時間:11:00〜23:00 (L.O.22:00)日曜日11:00~20:00
定休日:月曜日・年末年始(ただし月曜日が祝日の場合翌平日休み)
TEL:03-6407-9806
FAX:03-6407-9807
http://cheese-stand.com/

チーズにまつわるヒト・モノ・コトを伝えるWebマガジン
CHEESE Media <9月16日公開開始>
http://cheese-media.net/

増田牧場
住所:〒204-0002 東京都清瀬市中清戸4-870
TEL・FAX:042-492-8223

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