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”ファンが買い手から作り手に” サンロッカーズ渋谷×BASE 渋谷ご近所タッグ

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渋谷に本拠地を構えるB.LEAGUE所属プロバスケットボールチーム”サンロッカーズ渋谷”と、同じく渋谷に本社を置き無料のネットショップ作成サービスを提供している会社”BASE(ベイス)株式会社”。

お互い渋谷を根城にしている地元企業というご縁でつながり、新たなネットショップが作られた。

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https://sunrockers.base.ec/
中を覗いてみると、非常にシンプルなインターフェイスの中に新進気鋭クリエイターとのコラボグッズが並ぶネットショップ。

ドリブルわんちゃんや、コミック風サンロッカーズガールズがデザインされており、公式の王道デザインとは一風異なるコラボらしさが魅力だといえる。

気になる売れ行きに関して聞いてみると、

売上に関してはもうひと踏ん張りだと思っています(笑)

とBASEの担当者。

開設から一か月と言うことでまだまだ売上好調とは言えないようだが、暗い雰囲気を全く感じさせない。

実はこのネットショップ、「グッズを売るため」というよりも、将来的に「ファン作りのため」になるよう開設されたのだ。

ファンが大きな強みとなるBASEの特色

BASEは、誰でも簡単にPCやスマホからあっという間に無料で自分のお店が作れてしまうサービスを提供している会社。
商品が売れた場合、売上金額の3.6%+40円を決済手数料としてBASEが収益を得る仕組みのため、出店側としては固定費用を掛けずにネット通販に参入できる。

ネットショップの代表格といえば楽天やYahoo!。
こちらもPCやスマホから自分のお店が作れてしまうが、初期費用・月額費用等がかかる場合がある。(Yahoo!は初期費用0円、月額費用0円)

イメージとしては、楽天やYahoo!は巨大なショッピングモールの中に自分のお店を出店する感じであり、BASEは誰も居ない土地に一軒家のショップを建てる感じだという。

多くの競合店がひしめき、デザインやインターフェイスを工夫し広告費を使い、価格競争にもさらされつつも、たくさんのお客様に立ち寄ってもらいやすいモール型で商売をするか、

お客様一人一人にお店の場所を伝えなんとか来店してもらい、そこでしか買えない商品を取りそろえ、口コミでお客様の輪を広げていく一軒家型ネットショップで商売をするか、

BASEはそんな一軒家を無料で作ってくれるサービスだ。

何をいくらで売るかよりもお店のファンを作っていくことが求められる。

今回サンロッカーズ渋谷とのタッグを持ちかけたBASEの営業担当今村さんも、

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BASEでお店を作っただけでは売れません。

とモール型とは異なるBASEの特色を話してくれた。

BASEで好調なショップの条件のひとつとして、SNSのフォロワー数を多く保有していたりインフルエンサーとして情報発信力を持っていることなどが特徴としてあるそうだ。

そこで、同じ渋谷の地元企業で多くのファンがいるサンロッカーズ渋谷に「同じ渋谷つながりなのでネットショップやりませんか」と営業を仕掛けた。

多くのファンを抱えるサンロッカーズ渋谷へのラブコールだ。

しかしBリーグ公式サイト内にサンロッカーズ渋谷のグッズを販売するネットショップコーナーが既にあった。

とはいえ渋谷のご近所同士。何か面白いことを一緒にやろうと意気投合。

サンロッカーズ渋谷側からも、どうせやるならファンが増えていく仕掛けにしたいと要望があり今回の新進クリエイターコラボにたどり着いたのだという。

ん?

ファンが増えていく仕掛けとしてのネットショップ?

ファン作りのためのネットショップ

それはどういうことか。

この点に関してサンロッカーズ渋谷マーケティング担当の森氏は、
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「今回は、BASEとつながりのあるクリエイターがデザインを担当してくれました。今後はサンロッカーズ渋谷のファンにも参加してもらえるような仕組みを取り入れたショップに育てていきたいです。」

今回のクリエイターにも、デザインを進める前に実際に試合を観戦してもらい、チームの良さを感じてもらった上で協力してもらったのだという。

そうして出来上がったデザインは、通常の応援グッズにあるようなロゴメインデザインではなく、観戦して感じたチームへの「親しみやすさ」や「スピード感」、はたまた「チアリーダーかわいかったなー」、「マスコットキャラのサンディの存在感ヤバい」といったファン目線がメイン。

今後はこの動きを、クリエイターだけでなくデザインに興味がある一般観客にも広げていくことで、運営サイドでは思いつかなかったデザインが誕生するということ加え、よりチームとファンの接点が増していく仕掛けになるのだ。

森さん
「表現上の問題がない限り、ファンがデザインしてくれたグッズは全てサンロッカーズ渋谷公式グッズとしてネットショップで販売したい」

え?

全て?

今回販売されているスマホケースにしろ、Tシャツにしろ製作のためにはある程度まとまった数量が必要なはず。

またこう言っては何だが、いくら公式とはいえプロのクリエイターではない素人がデザインしたグッズがそんなに売れるとも思えない。

ファンの気持ちに応える心意気は素晴らしいが、商売感覚があまりに欠如してはいないだろうか?

渋谷新聞
「森さん、サンロッカーズ渋谷はそんなにグッズを作りまくれるほどお金が有り余っているんですか?」

森さん
「いやいや、実はこの取組コストをかけずにできるんです。今回作ったネットショップやグッズも資金0円で成立してます。」

渋谷新聞
「え?0円?ネットショップが0円というのは分かります。BASEのシステムですから。けれどグッズの制作費、クリエイターのデザイン費はイニシャルコストとしてかかりますよね?」

BASE今村さん
「まず今回のグッズは全て発注があってから1個ずつ制作するオンデマンドの仕組みをとっています。弊社の業務提携先でありますCanvath(キャンバス)さんでは1個からオリジナルグッズが制作できるサービスを提供しているため、在庫を持つことも含めイニシャルコストがかからないのです。」

渋谷新聞
「なるほど、世の中すいぶん便利になったもんです。デザインに関しては?」

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BASE今村さん
「今回のデザインに関しては以前からBASEとつながりのあるクリエイターさんにご協力いただきました。収益はサンロッカーズ渋谷さんとクリエイターさん2者でシェアしてもらう取り決めで。」

森さん
「あと、クリエイターさんが自分のホームページやポートフォリオにサンロッカーズ渋谷公式グッズデザイン実績として載せることをOKしました。

通常こうしたグッズデザインは、自分がデザインしたという事を世の中で発信してはだめ、まるっと権利をコンテンツサイドに売り渡してしまうことが多い。若手で面白いものを創りたいというアーティストさんの実績にもなるようなチャレンジをしたかったという気持ちが大きかったです。」

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グッズ収益を得るという目的だけであれば、今回のネットショップはまた違ったものになっただろう。

「ファン作りのためのネットショップ」

としてBASEを活用することができるため、主体側も知恵をしぼるしネットモールではできないような面白いチャレンジが生まれてくるのかもしれない。

例えば、小学生のサンロッカーズ渋谷ファンが手書きデザインを作る。
それが公式Tシャツとしてネットショップに並ぶ。
両親はせっかくだからと親子セットでそれを買う。

この時点で少なくとも3枚は売れる。
さらに友達や親戚にもおすすめする。

買ったらそれを着て親子で試合観戦に行く。
そんな手書きのTシャツを会場で見た他のファンが面白いと思ってそのTシャツを買うかもしれないし、自分でも作ってみようという流れが生まれるかもしれない。

ファンが買い手から作り手に変わる。

それはとても大きな効果をもたらすはずだ。

みなさんが実際にサンロッカーズ渋谷Tシャツをデザインする側に立つことを想像してみて欲しい。

いざデザインしようとすると、サンロッカーズ渋谷について深く知りたくなるし、試合会場に何度か足を運び大勢いるファンが何を望んでいるかも考えるようになる。

そしてその思考プロセスの中において人は、サンロッカーズ渋谷の好きなところ、良いところを見出そうとするのである。

モノを売るためではなく、ファンを増やしていくプラットフォームとしてのネットショップ、面白い。

ITのまち渋谷らしいバスケのコート外コラボだ。

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渋谷にはこうしたご近所コラボが生まれやすい環境がある、なぜなら今でも多くのIT企業が渋谷に集まってきているからだ。

何か、渋谷で面白いご近所付き合いをしてみたいという企業さんがいれば渋谷新聞にご一報いただきたい。

ゆるい井戸端会議、開催いたします。

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<取材協力>
サンロッカーズ渋谷 https://www.hitachi-sunrockers.co.jp/
ネットショップ作成サービス「BASE」 https://thebase.in/
サンロッカーズ渋谷BASEクリエイターズショップ https://sunrockers.base.ec/

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