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新しい「人生の過ごし方」との出会い方 -Peatixは時間と人とのマッチングサービスだった

【渋谷新聞特別編:渋谷新聞×上智大学連携企画】
この記事は上智大学の現役大学生により作られました。

『次はなにする?』

実はこの台詞、とあるスタートアップ企業が掲げているキャッチフレーズだ。

2017-10-25_215550

http://peatix.com/

ご存知の方も多いかと思うが、Peatixはチケット販売やイベント告知を行うウェブサービスやモバイルアプリを運用する会社である。2011年に日本で運営が開始されて以降、着実にユーザーを増やし、今では会員数は210万人、世界27カ国で利用されるサービスにまで発展した。今までに延べ200,000を超えるイベントで活用されている。

これだけ聞くと「この企業の何が新鋭なの?」と思う人もいるかもしれない。
そう、実はPeatixは他のチケット販売企業とは大きく性格を異にする。

それは“誰でも参加できる”こと。
“誰でも”イベントを主催でき、“誰でも”イベントに参加できる。
Peatixが開催するイベントの種類・規模は10人の写真教室から30,000人の音楽フェスまで、実に多岐に渡る。

彼ら自身の「熱量」は一体何が口火になって生み出されるのか。

その答えを見つけ出すため、我々は原宿にあるPeatix Japan株式会社へと向かった。
迎えてくださったのは共同創業者兼取締役の藤田祐司さんと、広報マネージャーの宮田真知さん。

その1

左:藤田祐司さん 右:宮田真知さん

■ Peatixとは

渋谷新聞
「本日はよろしくお願いします。そもそもPeatixさんのビジネスの仕組みはどういうものになっているんですか?」

宮田さん
「イベントやコミュニティーを運営・活動されている方を応援するために作ったサービスです。具体的には、イベントの告知をWeb上で作れて、参加する人がそのページに登録ができるような仕組みになっています。」

その2

渋谷新聞
「今までに聞いたことのないサービスですね!」

宮田さん
「コミュニティー活動を応援するために、その活動をしている人たちがグループを作って、情報の発信ややりとりができるようになっています。
基本的には何かイベントを立ち上げたいと考えている人がその活動をやりやすくするためにそれをサポートするようなオンラインサービスです」

最近では時代のニーズに応えて、アプリの普及にも努めているという。

藤田さん
「Peatixがサポートするのは小さいコミュニティーのイベントも多く、どちらかといえば、草の根の活動を支援しています。」

実際、イベントの規模の中央値は30人ほど。コミュニティー性の高いものや地域の活動で使われているケースが多い。

 

■ 原宿にオフィスを構えるワケ

その4

渋谷新聞
「立ち上げに至った経緯やきっかけなどがあれば教えていただきたいです。」

藤田さん
「Peatixは2011年にサービスを開始したんですけど、投機したのは2007年の7月になります。一番初めに立ち上げたときはOrinoco株式会社という名前で、創業時のオフィスは渋谷の円山町のマンションの1室でした。ちなみに今のこの原宿のオフィスは4か所目になります。ずっと渋谷区の中で移動をしています。」

渋谷新聞
「なぜ渋谷にこだわるのですか?」

藤田さん
「共同創業のメンバーが出会ったのは、実は前職のAmazon Japanで、Amazonが当時あった場所も渋谷のクロスタワーという場所でした。渋谷でずっと仕事をしていくうちに、渋谷には面白い人たちがいるということが体感としてあったので、もし自分たちでやるとしても、惹きつける力が強い場所にしようとみんな考えていました。」

その5

渋谷新聞
「今の原宿に拠点を移した理由はなんだったんでしょうか?」

藤田さん
「ここ(原宿)ですと、駅から出て地上に上がると、観光の方や街を楽しんでいる方たちがみんな笑顔で過ごしていて、プラスのエネルギーしかないように感じられます。」

オフィス街のようなスーツ姿に溢れた場所には、疲れ果てた雰囲気を感じるという藤田さん。

藤田さん
「渋谷の街はどこを切り取っても、プラスのエネルギーがとても強いように感じられて、やっぱりビジネスをやるならこういう場所のほうがいいなと感じ、渋谷の中でオフィスを転々としています。」

その6

 

※Peatixは2017年10月から東京都渋谷区恵比寿4-6-1 恵比寿MFビル8階にオフィスが移動。記事内容は取材時のものになります。

■ 人とイベントの出会いを創出するサービス

渋谷新聞
「他のライバル会社との差別化はどのように図っているんでしょうか?」

藤田さん
「大手のチケット会社との差の部分で言うと、サポートしてきたエリアが違います。大手は大部分が興行系のイベントであるのに対して、我々は今までずっとやってきたところでいうと“個人の活動を支援する”みたいな面が強かったため、そういった面では大きく差別化を図れていたと思います。」

渋谷新聞
「具体的に言うとどういう所になりますでしょうか。」

藤田さん
「イベントへの送客力だと思います。具体的に言うと、Peatixで集客すると、参加者のうち3分の1くらいがPeatixのレコメンドによってイベントを知り、来ているという状況です。それは、その会員の方がどういうイベントに行ったかとかいう情報が蓄積されているので、その個人個人に合わせて、“あなたはこういうイベントが好きだよね”ということをお勧めするような機能があります。いわゆるレコメンデーションエンジンっていう、Amazonでいうと“この商品を買った人はこの商品も買っています”っていう機能です。我々はイベントの世界でこれを使っています。」

その7

渋谷新聞
「ユーザーさんはPeatixでチケットを購入しているというよりも、Peatixで通じてイベントと出会っているんですね!」

藤田さん
「そうですね。また、熱量の高い会員の方たちがイベントに参加してくれるので、そこも大きな特徴になっています。だから、人を呼び込むことができるっていうのは大きな差別化の要因になっているんじゃないかと思います。それをやっているところは割と少ないのでユニークなのではないかなと考えています。」

それ故、Peatixには、「熱量の高い方」の心を動かす、ユニークなイベントを多く取り扱っていることも特徴だ。

 

■ Peatixで取り扱っているユニークなイベント

1.「夜空と交差する森の映画祭」
『2014年に初開催し、野外映画フェスというジャンルを開拓した「夜空と交差する森の映画祭」は、野外の様々なロケーションに設置されたスクリーンと会場を彩る電飾/装飾の中、オールナイトで長編のメジャー作品から新鋭気鋭作家によるショートフィルムまであちらこちらへと移動して映画三昧を楽しむ新しいスタイルのイベント(http://forest-movie-festival.jp/about.html)である。映画館を飛び出し野外ステージで映画について語り合うのはどうだろうか。幻想的な雰囲気の中で見る映画は非日常的な感覚に浸れるイベントだ。

その8
http://fmf2016.peatix.com/?lang=ja

2.「Slow LIVE’17 in 池上本門寺」
こちらは、お寺の特設ステージでアーティストが奏でる曲に耳を傾ける一風変わったミニ音楽フェス。「Slow Food」の考え方を音楽にも当てはめ、一人一人に座席があり、ゆったりとLIVEを見ることができる。新しいフェスのあり方を体験できるイベントだ。
その9

http://slowlive2017.peatix.com/view

3.“ローション大運動会―真のローショニストは誰だ?―”
名前の印象が強いが、テレビでよくお笑い芸人がローションをかけられたり、ローションの上を滑りながら一生懸命になって歩いたり走ったりする映像を見たことがあるだろう。一度はローションまみれになって滑り転げてみたいという野望を持つ人のためにおすすめのイベントはこちら。ヌルヌルになった男女が試行錯誤を繰り返しながら滑っては立ち上がる。好奇心旺盛なあなたのために。ぜひ一度参加してみてはどうだろうか。

その10

http://peatix.com/event/81067?lang=ja

Peatixによって、それまで知らなかった新しい時間の過ごし方と出会えるかもしれない。そして、それはイベントを企画する側と参加する側、両方に言えることもPeatixの特徴だ。
最後に、藤田さんと宮田さんに、やりがいとこれからについて聞いた。

■ やりがいとこれから

宮田さん
「わたしがPeatixに関して1番いいなと思っているところは、やりたいって気持ちを本当に応援しているサービスだというところです。」

Peatixでは定期的にイベント主催者のためのトークイベントを開催しているが、そこで宮田さんは、イベントを企画する人が”なぜそれを始めたのか”というストーリーを大事に聞くように心がけているという。

宮田さん
「個人的には皆がやりたいと思うことを自由にやっている社会が楽しいんじゃないかなと思っているので、それを少しでもお手伝いできているというのが私のやりがいとして大きいなと思っています。」

渋谷新聞
「なるほど。では、今後の展望というか、Peatixが社会にどのような影響を与えると考えてらっしゃいますか?」

宮田さん
「今後の社会へのインパクトという部分では、実はこういうことをやってみたいんだけどどうかなという人を後押しできること。Peatixは個人で使えるし、お客さんが集まらなかったらどうしようとかいう不安も、レコメンドシステムとかでお客さんを集めるというところもお手伝いするし、初めの一歩を踏み出すというところをいかにハードルを下げるかというのを頑張ってサービス作っているので挑戦するという人が1人でも増えたらいいなというのはあります。」

その11

藤田さん
「今ほとんど宮田が言った通りなんですけど、実はPeatixができる前から個の表現をエンゲージするというのがテーマとしてありました。個人が表現したいときにそこを支えるというサービスとして、今Peatixがあり、主催者が何かイベントを開催したいというところを今後も支えていきたいと思います。」

渋谷新聞
「個々人の活動を少しでも支えてくれると、主催者側も気が楽になると思います。」

藤田さん
「普通に過ごしてるとイベントに行かなくても過ごそうと思えば過ごせます。でも個人個人がPeatixを通じて、とある活動を発見して1歩勇気を出して行ってみる。でもイベントに参加するには勇気が必要じゃないですか。そこの障壁を我々のサービスとして少しでも下げてあげる、イベントに行くことはものすごく大変なことではないということを伝えて、そのイベントで“こんな面白いことがある”とか、“新しい興味になるかもしれないこと”を発見してもらいたいです。」

渋谷新聞
「なるほど。」

Peatixを使って新しいイベントを発掘してみる。そして見つけたイベントに恋人や仲間を誘ってそれまで気付かなかった新しい人生の時間の過ごし方を見つけてみてはどうだろうか。私たちが知らないことはまだまだたくさんある。体験したことのないものを体験してみたい、行ったことのない場所に行ってみたい。そんな知らない世界を覗いてみたい気持ちは誰にでもある。溢れ出る好奇心を後押しするレコメンドシステム。訪れた先に新たな出会い、新たな仲間が待っている。あなたも一歩踏み出してみよう。人生は楽しんだもの勝ちだ。

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記者:
中村 紘子 / 総合人間科学部社会学科
木村 紗綾 / 文学部新聞学科
伊東 沙姫 / 理工学部物質生命理工学科

取材:
上智大学×渋谷新聞連携講座「異文化の視点とジャーナリズム」

<取材協力>
Peatix
http://peatix.com/
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