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子供たちがRAPの先に見る夢は?

記・写真:菊井健一

何気に知らない人も多いのだが、代官山に子供たちを対象にしたとてもクリエイティブな場所がある。『代官山ティーンズ・クリエイティブ』と名付けられたその場所は、子供たちのための場所なのに、CDで壁が埋め尽くされたDJブースが有り、鏡張りのダンスルームがあり、地下には完全防音のスタジオまである。小学生から大学生まで、沢山の子が放課後や休日に集まってきて、思い思いのクリエイティブ作業に没頭したり、年齢を越えて混じり合って、卓球したりお喋りしたりギターを弾いたりしている。

 

代官山ティーンズ・クリエイティブ風景


代官山ティーンズ・クリエイティブのLINE@より
https://page.line.me/daikanyama_tc

 

 

あまりにクリエイティブすぎるので一瞬戸惑いを感じるが、でも自分たちが子供のときだって、本当に欲しかったのはこういう場所だったよなと思うと、ちょっと悔しくなったりもする。

で、ハロウィン直前の10月28日(土)、この代官山ティーンズ・クリエイティブで、ラッパーACEによる 『RAPを学ぼう!a.c.e』 と名付けられたラップ教室がおこなわれた。

実は、今年の3月に、ACEと掌幻の呼びかけで渋谷サイファー@代々木公園が行われた時、それをゲリラでないオフィシャルなイベントにする代わりに、彼らが子供たちのサポートをする約束をした。その約束が果たされたのがこの教室。

記者はラップは黎明期に齧ったきりで、覚えてるラップがグランドマスターフラッシュのザ・メッセージと近田春夫の日本語ラップ止まり(笑)なので、よもやラップがこんなに市民権を得るものかと感慨深い。
子供がまさか「ラップを教わりにくる」日がくるなんて。

 

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ACEさん。ラップ界のビッグネームなだけに見た目も怖い(笑)

 

ACEのラップが教室は、シンプルに語りかけるように始まった。
「文の中にある“韻”を意識し、その“韻”が合う単語を並べ、それを繋げて喋ってみよう。 カレー食べるのがシュミです。特に辛いのがスキです。 とか、そんな風に。」

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参加したのは、それこそ幼児から、上は高校生までの11人。
その子たちに、ヴァイブス、ライム、リズム、フローと大事なポイントとその使い方を例示しながら(つまりラップしながら) 解説していく。
ちなみに、何となく分かった気になってるラップ用語を解説すると、
・ ヴァイブス(SOUL) - モチベーションであり、雰囲気、オーラ、心意気とかそういうもの。
・ ライム  – 韻
・ リズム  – リズム
・ フロー  - 歌い回し方、歌い節
ということになるそうだ。(まあ大体間違ってなかった)

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で、イントロダクションが終わったら、いきなりサイファー開始。

えー、いきなり? と思ったら、皆んなとても上手でビックリした。
というか、ラップって堂々とやればちゃんとラップになるんですね。
音階がある訳でもないし、字余り韻外しも気にならない。
むしろ、偶然でも韻が上手に踏めた時の爽快さが際立つ。
ラップって、減点式でない加点式の表現方法なんだなと感じました。

秀逸だったのは、デジタルネイティブならぬラップネイティブな感じの小学生対決(顔出しNGの子がいて、ごめんなさい写真は無しよ)

あと、高校生の兄弟の兄弟喧嘩(笑)
こっちはご了解いただいたので、動画で生のヴァイブスをお届けします。

兄弟喧嘩サイファー(笑)

 

そしてACEのお手本。やっぱすごい。

 

あとはチームに分かれてきちんと作詞(?)して、順番に発表したり。

代官山ティーンズ・クリエイティブ


ラップは、ルサンチマンな怒りを爆発させる手段なだけでなく、今の自然な気持ちを、最もシンプルな方法で表現するものなんですね。サイファーが、相手をひどい言葉で攻撃したりする割に、そこに悪意を感じない(ことが多い)のは、言葉を編み出すために、強烈な自己集中と創意工夫が必要だからかもしれない。
ラップを部屋で見よう見まねでやってみる(今回の高校生兄弟もそうだそうです)、
こういうふうに系統立てて教わる(ACEは渋谷でラップ教室を開講してます)、
どちらでもいいんでしょう。

では、そうやって始めた先、お披露目の場はどこかにあるのか?
アマチュアバンドにはライブハウス借りるとかパーティーの余興とか、意外と機会があるけど。
それをACEに聞いてみると、ラップの屋外イベントでは飛び入りの機会が当たり前にあって、そういうとこに飛び込んでいくといいよ、とのこと。
それは発表の機会を得るだけでなく、ラッパーのコミュニティーに顔を突っ込むことにもなって、そうすると、また色んな楽しみ方や進み方が見えてくるそうだ。

ACEが渋谷で続けているラップスクールの生徒には、最年長で70代の元教師の方もいるとのこと。高齢者ラップはさすがに万人向けではないかもしれないが、でも表現手法としては、確実に市民権を得てきている。
ACEのラップスクールはいまも渋谷で続いているそうです。
(これかな?) https://www.rapschool.info/

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最後に記念撮影を。

 

クリエイティブなスペースで習うラップはとても素敵なものでした。
これから先、もしかしたらラップできるお父さんは尊敬されるかもしれないよ(笑)

 

取材協力:
代官山ティーンズ・クリエイティブ
http://daikanyama-tc.com/
http://daikanyama-tc.com/news/171028.html
ACE
http://talent.platinumproduction.jp/ace
https://ameblo.jp/aceofficial/
https://twitter.com/ACE0317

代官山ティーンズ・クリエイティブでは、毎月色々なアーティストによるスクールが開催されています。私が見ても、お!これ!というものが多いです。
(が、しかし、対象はこども~若者まで(笑))

 

記:菊井健一(きくいけんいち)
渋谷新聞編集長。サイファーやるには無理しかない50代。でもそういえば、前編集長の送別会で即興ラップに巻き込まれたの思い出した。泥酔してると意外とやれるもんだ(笑)

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